KH

かがみの孤城のKHのレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
3.8
2024年度の年間ノルマ70本中20作品目。
見させて頂きました。

こちらは、確か劇場でスラダンか何か見た時に予告を見て『あー辻村美月かぁ、これも見ないとなぁ』と思ってはいたものの、遂にはタイミングが取れず、
またロードショーも見逃して、
いよいよAmazonプライム様が配信を開始してくれたので遅ればせながらようやく視聴となりました。

また、辻村美月作品は過去に友達からの強い勧めもあってか『スローハイツの神様』は読んだことがあります。こちらの作品も本当にめちゃくちゃ面白くて、上下巻だったのですが、上巻が全部伏線。そして下巻で全回収が如く。そんな作品も見たことがなかったというか読んだことなかったので、辻村美月さんという人が凄まじい作品を世に出す人だというのは理解してます。

しかしもともとそこまで小説を読むタイプではないので
(それをする暇があるなら俺は映画を見る)
この作品がどう言った内容なのかはわかりませんが、非常に楽しみです。

まずは、ネタバレなしの率直な感想をば述べたいと思います。

『何というか、面白かったです。面白かったんですが、いや、めちゃめちゃおもろかったですよ??本当に、
ただ、結構それ故にというか気になる点もちらほらあったのは事実で、その辺はネタバレで話すとして、
個人的に娘や息子を持つ親としての視点が強目になってしまったのはまぁこれは仕方のない部分かと思いますが、
僕よりもむしろ子供達にしっかりと伝えたくなる作品だなぁと感じる作品でした。
また、作品の設定にはすんなりと入り込むこともでき、比較的没入感もあり、
最後の最後まで飽きずに見ることができました。一個だけここで苦言を呈するならば、
普通の声優と、役者の吹き替えを混ぜないで欲しいなと感じました。
やはり高山さんとか、梶さんが入ると正直
上手すぎるので他の役者たちとの実力の差が結構僕的にはノイズみたいになってしまいました。そこだけ浮いてると言うか、
全員が役者なら違和感もないし、全員がちゃんとした声優ならば、そこまで気になる様な事ではないにしろ、両方が混じると僕は個人的に『なんでこうしたの?』と思ってしまいました。
なので、改めて、アニメの吹き替えをわざわざ俳優にやらせるのって、誰得ですか?
作中に全然関係ないところではありますが、某有名アニメの某有名セリフが出てくる部分がありますが、あれ、要りますか?
ものすごく不愉快でした。サービスかなんかのつもりですかね??すごく薄寒いです。

と。ちょっとだけ苦言を言わせて頂きました。
もちろんこれは僕が個人的に気になってる事であり、何にも気にならない人の方が多いとは思いますし、理解してます。悪しからず』


また、ここより作品のネタバレを含む感想になりますのでまだ見てない方はご注意を、

まず世界設定は非常に端的でわかりやすかったと思います。
ある中学校の不登校児童が城に集められて
鍵探しをする。

城は自宅の鏡から9〜17時の間、解放され
その間であれば出入りは自由。
また、鍵を見つけ扉を開けた者の願いを一つ叶えてくれる。
しかし、ここでの記憶は一切なくなる。
また、17時を超えて城に残ってしまった場合は狼に食われるとされております。

この設定は実にわかりやすくてすんなりと入り込めます。
個人的にもしこうならどうなの?とかってのが浮かんでしまうのは人ならば仕方のない事かもしれない部分ではあるんですが、

城のある世界はパラレルワールドとなってはいるものの、時間軸は現実世界とリンクしており、城で過ごす間は無論、現実世界に存在はしておらず、

ではルールとして仮に『ここで過ごした記憶がなくなる』という事は
過ごしてない別の記憶が存在する訳で、

その間、一体彼らはどんな記憶を注入されたことになってしまうのか?とか気になったりしました。

ラストで、リオンは記憶があるけど、こころにはその記憶がなくなってる描写がありますが、結果的にこころはずっと家で寂しく過ごした記憶を注入されているのだろうか?
そんなことが気になったりしました。

そんな余計なこと考えてて何が没入感だよと思われるかもしれませんが、そう思ったんですよ。

また、ラストでこころは鍵を発見し、願いにより狼に食べられたアキを救う事になりますが、そのアキはこころ達を救おうとするフリースクールの喜多島先生であり、
また城での記憶も残っていた様に思います。


さらに言うと、この城を作ったオオカミは
リオンの姉であり、生前のミオであるのがラストで判明する。
なぜ彼女にそんな力があるのかとか、そんなことは気にはならないですが、
正直結構頭がごちゃっとした部分でもあります。

つまりはこの城が作られたのはミオが病室にいる時であり、横にはまだ幼いリオンもいると言うこと、
しかし城で会うリオンは成長した姿で、、
んで、アキはこころちゃんのフリースクールの先生で、全部知ってて、それでー、

と、うん。この辺でその辺を考えるのは辞めようと思いました。

こころちゃんの家の近所に住む東條という生徒の言葉は結構刺さるものがあったと言うか
子供に伝えるならばここかなという部分があったので抜粋すると、

彼女ら城の住人は様々な理由で不登校になっておりますが、
『所詮は学校のこと』なのです。小さい頃はそんな学校が世界であり、人生の全ての様な気がするのですが、

所詮は長い人生の中の数年。また、狭い地域の小さな世界の話なのです。
たかがそれだけの事で自分の人生の大切な時間を犠牲にしてしまうのはあまりにも非効率であり、時間の無駄である。と言うのも実は僕の持論とすごく近いと言うか。
そう考えれば、この『かがみの孤城』の世界とは、イコールネットの世界の様なもので、
仮に違う時間軸でも、別の国でも地域でも、
ほとんど名前も顔も知らない人たちでも、
同じ境遇や、時間を共有する事で世界が広がり、
自分の陥っている状況などが縮小するものである。

僕も昔は狭い世界が全てでした。物凄い怖い先輩とかに目をつけられて虐められた過去もありますが、
自分が上京して広い世界を見ると、そんな先輩などは小さな世界のカスであり、雑魚であり、恨みや恐怖なんかも意識することすら勿体無いと感じ、もう家に出る虫よりも気にならない存在になりました。

そう言ったネットの普及で色々と怖い事件とかもまぁ確かに増えてはいますが、
それでも考え方一つ、利用の仕方ひとつで何も気にならなくなるんじゃなかろうかとこの作品は強い意志でそれを伝えてくれる作品としてはかなり重要であり、
後世に伝えていって欲しいなと言う作品だと感じます。

とはいえ、だとしてもこころちゃんを虐めていた真田がどうなったのか。
あとがきでも構わないのでちょっとだけ見たいなと思いました。
同じ教訓でも、彼女に天罰みたいなのが降り掛からないのはちょっとだけ消化不良ではありました、
まぁそう言うメッセージの映画なのだと理解してるので、
『いいじゃない、真田なんてもうどうでもさ』というのはわかるんですけど、

あれはきっと後日談で、リオンを取り合って揉めますよ。こころちゃんと、また、

『私のリオン君に色目使った』とまた家に来ますよあれ、

そうなったらいよいよ孤城に呼び出して、
ガチの人狼、いや、人狼から隠れながら脱出せよ‼︎と言うのをスピンオフで見たかったです。。

あと、ネタバレなしのでも少し話しましたが、高山さんに『真実はいつもひとつ』って言わせるくらいなら、
梶さんに『戦え‼︎』くらいも言わせましょうよ?
NHKに怒られるからダメですか?MAPPAに訴えられるからダメですか?
ならやめましょうあーゆーの、原作にあるんですか?ないなら辞めましょうよ。ああいう意味のないノイズみたいな演技は、
だったらオオカミ様にもマルマルモリモリ歌ってもらいましょうってなりますって、あれを許すならば、個人的にあぁ言う中途半端なの良作にぶちこまれるとすごく見る気無くすんですよね。
コナンの中で、服部が『ギャリック砲‼︎』とか言わないでしょ?言ったらおかしいでしょ?


とまぁものすごく話がずれたので今回はこの辺にします。
KH

KH