このレビューはネタバレを含みます
昨年公開のアニメ映画ですね!
不登校の中学生・こころは、部屋の鏡から別世界へ迷い込む。その城には他に6人の中学生がいて、鍵を探すように狼の面を被った少女に説明される、ってお話です。
最初はうーん、大分ファンタジーだなあ、と思い、壮大ファンタジーな割にアニメ描写は割と普通…と思って見ていましたが、中盤からは世界観にも慣れ、楽しめました!
基本は中高生向けの作品かなあ、と思いますが、ヒロイン・こころの心情が丁寧に描かれ、思春期の痛々しさを思い出し、大人にも充分刺さる作品に思えました。
アキの正体は早々に予想がついたし、皆生きてる時代が違う、っていうことも予想がついたのですが、オオカミの正体はわからなかったな。
一年も一緒に過ごしたら、生きてる年代が違うってお互いすぐ気付きそうな気もしたし、どんな願いも叶う、という設定に、例えば世界平和のような壮大な願いにしていたらどうなるの?等の突っ込みは入れたくなった。
でも、このトンデモ設定の物語を、登場キャラクターたちの心情に寄り添って、説得力を持って仕上げていて、ちゃんと感動させられた。原恵一監督の手腕、でしょうか。
こころをイジメていたクラスメイトたちが、酷い目にあって爽快、っていう話ではない。そこもまたリアリティ、で良かった。不登校だったこころが、少し成長して一歩を踏み出す物語。
もしかしたら、こころが見ていた長い夢の話だったのかもしれない?