このレビューはネタバレを含みます
医者になるため進学を目指していた矢先
疎遠だった両親が交通事故よりこの世を去る
そんなとき突然現れたのは見知らぬ弟
親元を離れてひとり、自立してきたアンと両親に愛されて育った弟のズーハン
姉なのだからと面倒を見ることを強要されるが
はじめは全く言うことを聞かない
食べ物にこだわり、家族に会いたいとわがままばかり。
ふたりはもう、いないのに。
つらいこと、たくさんあったと思う
我慢してはなんとかひとりで耐え抜き、
生きてきた彼女がそっと蓋をした心の叫び
自分もわめき散らせたら。もっとわがまま言えてたら。少しは変わっていたのかな。
憎たらしさもあり、自分の夢の邪魔でもあり、親探しをはじめるも
ズーハンと過ごす日々が少しずつ居心地のよいものになっていく
…だからラストが予想できてしまったけれど
現実問題はひとまず置いておいて
私はこうありたい、と反対の意見を持つ人が増えてくれたなら少しは救われるのかもなと思った
どうしても姉だから我慢しなければいけない、世の中的に、一般的には、これがきっと正しいし選択の余地もないのだと思う
でもだからこそ貫いてほしかったなという気持ちもあって。
アンはもっと可愛がって欲しかったとも思う
ひとりっ子政策の中国、障がい者だと嘘をつかせ
もうひとり子供を作ろうとした両親はさぞかし憎かっただろう
障がい者じゃないと叫ぶ姿を見ながら正しくありたかったのだと思ったし
なによりも立派な娘でしょ?って。認められたかったんだと分かって余計に苦しかった
アンと叔母が西瓜を食べるシーンがとても好きだった
大きさの合わないマトリョーシカと
叔母の苦しみ、やっと分かり合えて
自分の人生なのだと言葉をくれた
どうしようもない叔父さんだって心の底はあたたかい
こうだったらいいなと思う父親像だと言っていたけれど。
ラストはきっと、賛否両論。
それならせめて
ふたりの行先がしあわせで溢れていたらいいなと思う