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夜を走るのryoのネタバレレビュー・内容・結末

夜を走る(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

うまく回らない日常。

そしてその現状を自覚した時、
自我意識に目覚め、自分中心に考え、
本当はこうあるべきと欲望を強く感じた時、周囲の環境に対する怒りから暴力が生じる。

殴った時の急変に最初は?だったが、
後半をみるにつれ徐々に納得した。

最初と最後のシーンの洗車機が映画の中心となるテーマを表すように感じた。
自分が動いている、変わっていると感じているだけで、本当は周りが動いているだけなんだと。
結局、この世の不条理さはどうにかできるものではない。
まやかしの関係と世界を築いて、本当の世界の不条理さから目を背けようとしても、不条理さが滲み出てくる。それにやはり生理的にというか、感覚として気持ち悪い。

そして、乾いた色彩ばかりだった絵の対比として、最後のリアルなパーキングでのスマホで撮ったような映像。希望までは見出せないが、虚構ではなく現実のリアルな光と影のある世界で生きるべきと感じた。


あと、全体的に撮影が素晴らしい。
運転している時の映像、駆け出す映像、色彩や光が、深さをもたらしていると思った。
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