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さかなのこのKUBOのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
3.8
今日の試写会は『さかなのこ』。あの「さかなクン」の自伝を「のん」が演じるという、どう考えても異色作。でも、これがよかった!

冒頭に「男か、女かは、問題ではない」(だっけな?)ってテロップが入る。確かに、あの「さかなクン」のキャラクターを自然に演じられるのは「のん」をおいて他にいないだろう。そういう意味では、主役のキャスティングで勝利。

冒頭30〜40分ほどは子役が演じ、その後の高校生時代あたりから「のん」にバトンタッチするのだが、もう幼児の頃から「お魚大好き」なミー坊は全く変わらない。

ズレまくってるんだけど、周りの目を気にせずに生きてるから、それを全然引け目にも感じない。

そういうミー坊の周りには、なぜか不良グループの総長(磯村勇斗)や、幼なじみの狂犬/ヒヨ(柳楽優弥)ら、これまた異色のお友だちが集合して、他校のと抗争かと思いきや、みんなでイカ食ってたり、この件が最高におもしろい!

ただ、監督の沖田修一、わりとダラダラ長くなる監督さんだから、正直後半ダレる。映画オリジナルだという夏帆とのパートは要らないな。

『この世界の片隅に(片渕須直)』『私をくいとめて(大九明子)』と、「のん」は「のん」にしかできないキャラクターを演じ続けてきている。私はそんな「のん」が大好き!

本作も、およそ「のん」にしかできないキャラクター「さかなクン」を演じきった。断言するけど「のん」以外の誰が演じても変人にしか見えなかっただろう。「のん」だからこそ、変でもかわいい、変でも愛されるキャラクターになったのだと思う。

「のん」は One & Only です。

*劇中に「さかなクン」本人が「ギョギョギョおじさん」として出てきちゃうけど、出てくるなら全然違う普通の人としてカメオ的に出てきた方がよかったんじゃないかな? 「さかなクン」の自伝で「のん」が「さかなクン」の若い頃を演じてるのに、今の「さかなクン」の格好で「ギョギョギョおじさん」が出てきちゃうと混乱する。

*カブトガニの件が実話なら、エンドロールに実際の新聞とか出してほしかったな〜。本当の「総長」の顔が見たかった。
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