The Happiest Girl in the World(英題)を配信している動画配信サービス

『The Happiest Girl in the World(英題)』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

The Happiest Girl in the World(英題)
動画配信は2025年6月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

The Happiest Girl in the World(英題)が配信されているサービス一覧

『The Happiest Girl in the World(英題)』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

The Happiest Girl in the World(英題)が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『The Happiest Girl in the World(英題)』に投稿された感想・評価

[私はデリア・フラティア、世界で一番幸せな少女です] 90点

大傑作。ラドゥ・ジュデの長編デビュー作。"世界で一番幸せな少女"と題された映画は、全く幸せそうでない少女デリアのしかめっ面から始まる。両親の運転する車の後部座席で寝転がる彼女の身体全体から、これから起こるであろう"面倒なこと"への嫌悪感が滲み出ている。それもそもはず、ダリア一家は清涼飲料水会社の主催するコンテストで優勝し、賞品としての新車授与とCM撮影のためにブカレストへ向っているのだ。そこに、"あなたのためだから"と父親と離婚しなかったことなどを押し付けてくる母親に、自分の話を全く聴かずに新車を売る相手を探しに出た(まだ貰ってすらいないのに!)父親が付いてくるのだから面倒に感じないはずがない。両親はとても娘にやるとは思えないような実に嫌な手を使ってデリアを攻め立て、新車を売っ払おうと躍起になる。確かに、デリアは高校生で免許もないので車を使うこともメンテナンスも出来ない。実際にデリアは車が切実に欲しいというより、自らが獲得したものを奪われそうになって必死に守っているように見える。つまり、新車は親子の間にある緊張感が具現化したものであり、資本主義/消費主義によって破壊される関係性のメタファーでもある。

映画は親子喧嘩とCM撮影が同時並行で展開される。炎天下の撮影現場は素人のデリアには良い環境とは言えず、服や化粧や笑顔について散々ダメ出しをくらい、リテイクを重ねる度にしこたまジュースを飲まされて、"幸せな"笑顔を強要され、スポンサー会社重役の一声でクルーとデリアを乗せた箱舟は先の見えない迷走を繰り返すことになる。時には"美味しそうに見えない"ということでジュースにコーラをブチ込んで色を変え、全く違う商品にしてしまうことすらある。資本主義/消費主義の闇の最前線に叩き込まれたデリアは、それらに踊らさせて搾取されているようにも見えるが、それらの中心にある車を守ろうとするデリアの姿は、資本主義の一翼を担っているとも言えるだろう。
興味深いのは撮影現場が街のど真ん中にあり、休憩を言い渡されたデリアは両親から逃げるように街中へと溶け込んでいくことだろう。実在の社会の小集団をサンプリングしたことを明示する役割を果たしながら、世間知らずともとれるデリアの"成長"を首都ブカレストで描くことにも皮肉を感じる。

世界で一番幸せ!と笑顔で言いながら、裏では金に目がくらんだ両親に"車を売らないなら勘当する"とか言われてるんだから笑ってしまう。ラストのやけくそになった"もっと飲め!"三連発を含め、終始消耗させられる一作。
sonozy
4.5
ルーマニアのラドゥ・ジューデの長編デビュー作が面白すぎる。

暑そうな夏。田舎からブカレストにボロ車で向かう、声が子供っぽい、ぽちゃかわの女子高生デリアとクセ強めな両親。

到着したのは街中でのCM撮影の現場。
デリアはBiboマルチフルーツというオレンジ飲料のコンテストで優勝し、当選商品のLogan Breakという車を貰えるのと、そのキャンペーンのCMにも出演するのだ。

屋根に大きなリボンのついたLogan Breakの運転席に座り「私は、デリア・クリスティナ・フラティラ。世界一ラッキーで幸せな女の子(これがタイトル)。Biboマルチフルーツのラベル3枚を送って、このLogan Breakが当たったの。さぁ、あなたも今すぐ送って」と笑顔で語り、Bioマルチフルーツをゴクゴク飲み、車が動き出すというCM。

この撮影現場のディレクター、メイクのおばちゃん、スタッフ、クライアントのやり取りも面白いんですが、なにより、デリアと酷すぎる両親のやり取りがwww

デリアの一家は金に困っているようで、父親はデリアが乗るのを楽しみにしてる(まだ免許持ってないけど)このLogan Breakを、新車のまま売って、その金を元手に、ある商売をしようと考えてるんですね。
当然デリアは納得いかずNoを言い続けますが・・・

JAIHOさんあたりで配信されるといいですね〜
4.5
少女が撮影と親に板挟みにされながら「世界で一番幸せな少女」を演じるお話

「世界で一番幸せな少女」が笑顔で車に乗り込み、ジュースを飲み、車を発進させる......という内容のCM撮影の舞台裏。そして合間合間に商品として貰える新車を売って金に変えようとする親と少女の対立を挟みながら物語は進行していく。撮影現場において発生する抑圧と親から子への抑圧の二つの暴力の形を正面から描いており、状況も何も改善せずただその暴力が反復していく流れがかなり恐ろしい。映画自体がCM撮影現場を重複している二重構造も含めて随所にラドゥ・ジューデ監督らしいいやらしさを感じる。

撮影を繰り返す場面での1カットで、少女の顔が完全に車のフレームに隠れて見えなくなってしまう瞬間がある。「幸せな少女」を作り出すCMの撮影現場にてその少女の顔が見えないという矛盾と、そこから浮かび上がる虚構性には驚かされる。
終盤、時間も経って暗くなった現場で照明を焚きながら中断も挟まず撮影を何度も繰り返す場面が現れる。その撮影現場を遠くから全体を捉えるようなショットで映すことによって、最早無意味とも感じられる程の撮影の「虚構」が克明に描き出されていた。最新作の『世界の終わりにはあまり期待しないで』でも同じような撮影現場(メッセージすら剥ぎ取られて無意味なものになっていく過程)が描かれていたし、ラドゥ・ジューデ監督の作品に通ずるテーマの原点なのかもしれない。
面白かった!