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君たちはまだ長いトンネルの中のtakaのレビュー・感想・評価

3.7
日本では珍しいほどの政治経済的なテーマで押しきった映画でした。アベノミクス神話に染まっている教師や大人たちに対して女子高生の主人公がMMT理論で反論していく様は加藤小夏の軽快なセリフ回しもあって娯楽作品として成立している。欲を言えば、MMT理論一本やりの主人公も資本主義へのもっと根本的な懐疑に出会う場面展開があれば、自分たちの住むコミュニティを見直し、商店街の活性化に目覚めていくラストにつなげていけたのではないか。その姿が明確になれば作品にも奥行きが生まれたのではないかと思った。とはいえ、恋愛的要素を排除し、政治経済的主張に特化し、なおかつ十分に娯楽映画にした監督の力量は評価できる。
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