tottsun

線は、僕を描くのtottsunのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
3.8
「線は、僕を描く」🎬82
大学生の青山霜介(横浜流星)は、絵画展設営のアルバイト中に水墨画と出会い、白と黒のみで表現される世界に魅了される。水墨画家として知られる篠田湖山に声をかけられたことをきっかけに、霜介は水墨画を学び始める。真っ白な紙に筆と墨だけを使って描かれる芸術を知るにつれ、彼は次第に深遠な水墨画の世界に引き込まれていく。
小学校入ってすぐの頃、母親に「女として字が汚いのはありえない」と言われ強制的に習字教室に通わされ、色々先生の都合で辞めざるを得なくなっても…習字を止めることは許されず、結局中学卒業するまで3カ所にわたって通い続けた書道。
結果大人になった今でも、自分の字を褒めてくださる方がいたりして嬉しいし、なんだかんだ墨の匂いや半紙の触り心地が好きなんだと思う。
離れた今だからこそ恋しいと感じる。
そんな感覚を久しぶりに感じた映画だった。
水墨画だから字を書くのとはまた違うと思うけれど…濃淡で描かれる自然の美しさが印象的で、「命をいただく」ということを改めて感じさせられる作品だった。
個人的には三浦友和演じる師匠の湖山と江口洋介演じる西濱さんがとっても良かった。
彼らがいることで主演である横浜流星と清原香耶のフレッシュ感を感じられたし、佇まいとかに自分の人生も考えさせられる魅力があった。
分かってるようでも「命」や「本質」を見出すって難しいよね。
絵心無いけど、湖山のように「できるかできないかじゃなくて、やるかやらないか」だと思うから水墨画やってみたい!
ロケ地は滋賀ということだけれど、
東京とは違う空気の流れを画面越しにでも感じることができて温かな気持ちになった。
映画見た後はお腹が減ったけど、「改めて「命をいただく」を感じに和食のごはん屋さんで食べようかと…
私的には☆☆☆.8かな。
tottsun

tottsun