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対峙のtottsunのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
3.9
「対峙」🎬21
アメリカの高校で、生徒による銃乱射事件が発生。多くの同級生が殺害され、犯人の少年も校内で自ら命を絶った。事件から6年。息子の死を受け入れられずにいるペリー夫妻は、セラピストの勧めで、加害者の両親と会って話をすることに。教会の奥の小さな個室で立会人もなく顔を合わせた4人はぎこちなく挨拶を交わし、対話を始めるが…
公開時とても気になりつつも、テーマがテーマだけに見る勇気がなくて見送った作品。
キネマイクスピアリとして1週間限定上映されると知って、迷いつつ旦那さんを連れて鑑賞。
(最近夫婦で映画見ること多めなんだけど、1人で見られるのか心配になる系ばかりだから)
結果、見て良かった作品でした。
予告を見てあらすじだけ読んで、それ以上は何も知らない状態で見たんだけど、これから見る人にはそれをおすすめします。
なのでここでUターンしてください。

さて、話は本当にあらすじのそのままの通りで…エンドロールに表記された登場人物もたったの7人という少なさ。
そういうちょっと閉鎖された空間の中で行われる話し合い。
そこにあるのは加害者側と被害者側という立場と同時にお互い突然息子を亡くしたという事実。
描き方がとても秀逸で、凄惨なその時の姿は一切見せずに観客に委ねて想像させるという手法だけを用いる。
だからこそ、なんだか逆にとても生々しいものを見たような気になる。
話を聞いてると、お互いの気持ちがよく分かるような気がしてどっちにも寄り添いたくなるし…
つい、犯人はそういうことをしそうな幼少期を送ってきたのか、そういう素質はあったのか?
親はそれに該当するような子育てをしてきたのか。なんて考えてしまうけど…
あぁ、難しい。
罰とはなにか。赦しとはなにか。
見終わったあと、これは演技だったんだよね?と思うほど…ドキュメンタリーでも見たかのよう。
私的には☆☆☆.9かな。
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