鹿苑寺と慈照寺

非常宣言の鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

非常宣言(2020年製作の映画)
4.0
ハワイへ向かう飛行機内でバイオテロが発生し、機内の乗客から乗組員まで次々に感染してしまうというパニックムービー。

主な登場人物として
ク・イノ 謎の感染死の事件を追う刑事
パク・ジェヒョク 娘と飛行機に乗る高所恐怖症のお父さん
リュ・ジンソク パク親子に付きまとう謎の若い男
の3人だろう。

この3人がそれぞれの持ち味を活かして本作をめちゃくちゃ面白くしている。ク・イノを演じたソン・ガンホがとにかく良い。荒々しい刑事も雨も、とにかく似合う。

物語は前半がバイオテロによるパニック、後半がウイルスから乗客を救えるのか?に焦点が当たる。

前半は密室空間で次々に感染していく恐怖と混乱を描いていてとても良かった。これはすごい作品だとテンションが上がった。ただ、後半に入り、主題がバイオテロから乗客を救えるのかという部分にテーマが移ると様子がおかしくなる。特に一刻も早く着陸しないといけないという局面になると、アメリカにハワイへの着陸を拒否される。ここまではまだいい。それはそうだろう。未知のウイルスを乗せた飛行機なんだから仕方がない。すると、飛行機はやむを終えずUターンすることになる。今度は燃料が足りずに成田空港に着陸しようとすると今度は日本に拒否される。理由も先ほどのアメリカと同様。それも仕方がない。問題はここからで、日本の領空侵犯をしたことで航空自衛隊が飛行機に対して威嚇射撃をしてくる。
ん???
日本ってそんなに他国の領空侵犯に強気な国でしたっけ???
北朝鮮とか中国に毎日のように領空侵犯されてますけど。笑
威嚇射撃とかミサイルを撃墜したことなんかありましたっけ???
いつも「遺憾の意を表明する」って言葉で済ませてませんでしたっけ???笑
この一連のシーンで完全にトーンダウンしてしまった。
さらに燃料が足りないから成田に着陸しようとしたのに「ソウル飛行場に着陸しよう」と言い始めて、またさらに疑問符が点る。
だとしたら最初からソウルで良いだろ!!!
というようなツッコミどころが散見され、さらには乗客全員が「国民を危険に晒したくないから着陸をしない」と宣言し始めて完全に理解不能になった。

これらのノイズでかなり冷めてしまったけれど、ラストの着陸のシーンはもう圧巻だった。とんでもない映像の迫力と緊張感で手汗が凄いことになっていた。さすがの一言。素晴らしい。

全体的にはめちゃくちゃ面白かった。だからこそ上記のノイズがなければ傑作だったのにと思わずにはいられない。


以下は個人的なメモ
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非常宣言とは?

冒頭のスピード感

高所恐怖症

ウイルスの潜伏期間の短縮

空気清浄化システムが20年前のもの

「私たち公務員は責任を取るのが仕事です」

「被害に遭う理由は1つ。その時間その場所にいたからです」

成田に着陸

「黙って見てないで最後まで手を打つんだ」

燃料が足りないから成田に降りるんじゃなかったの?
ソウルに行けるなら最初からそえすればいいのに。

着陸反対デモ

「ミサイルで撃墜しろ。戻ってくるな」

着陸賛成デモって普通そうやろ。笑

降りるのもやめようというのがよくわからない。

「僕でもそうしたはず」
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