ねこねここねこ

非常宣言のねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

非常宣言(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

バイオテロを企む男は出来るだけ多くの人が乗った飛行機に乗り込みたい。感染源の物質を身体に埋め込みその処置をしているところを女の子に見られて、その子の乗る便に同乗することにする。
男を怪しむ父親(イ・ビョンホン)
一方友達とハワイに行こうとその便に乗り込んだ女性の夫(ソン・ガンホ)は刑事。航空機のテロを企む男の上げたYouTubeについての情報提供を確かめに行くが…。

飛行機の中でテロの武器となるのは必ずしも爆弾やピストルではなく、感染物質も武器になる。普通はちゃんと自分にはワクチンとか打ってそうなのに、このテロ犯は行き場のない場所で右往左往する人の混乱が見たいと言いつつ割と序盤に死んでしまうのがちょっと解せないし、誰でも来る可能性があるトイレの洗面台で処置とかする?というツッコミも入れたいけど。

感染した人を追いやる乗客、嫌な男として描かれてるけど、ゾーニングするのは大事だ。
そしてこの極めて危険なウィルスに感染した乗客達を受け入れるか否か。
アメリカに着陸を拒否され、日本にも拒否される。ワクチンや抗ウィルス薬は提供されることになってもテロ犯の男によって変異させられてる可能性が高く、効くかどうかも不明。ここの日本の対応の描き方はちょっとなぁと思うけど。自衛隊が威嚇射撃とかするだろうか?ちょっと現実離れというか、アメリカの指示には従うのになぜ日本には無理矢理着陸しようとするのさ。
燃料がないといいながら結局韓国に戻れたなら最初から戻れよと、なんか日本に対しての描き方がちょっとね。
もし現実なら日本はおそらく着陸はさせ、ワクチンが届いて症状が消退するまで飛行機に待機?ダイヤモンドプリンセスのようにベッドがないから病院?日和見主義の日本政府が映画みたいに毅然と対応して欲しいくらい。

母国であるはずの韓国の国民さえも着陸させるのに反対派が多く、賛成派も加わりデモでゴッタ返すソウルの空港。そんな中、乗客は愛する人たちに感染させたくないと着陸しない決断をする。

正直ここで終わっていたら良かったと思う作品。
刑事が自分にウィルス投与し、ワクチンの効き目を確かめるなんてそれこそご都合主義でしかなくてちょっと興醒めしてしまった。ハッピーエンドなのはいいけど、たまたま乗客に元凄腕パイロットがいたり。ツッコミたくなる点も多々ある作品。
それでも全体的にはまずまずの作品。
イ・ビョンホンが少し情けないところもある父親役を好演。

ところで飛行機に乗ってる女医さん、ビューティーインサイドの男性のお母さん役の女優さんだよね。なかなか素敵な人ですぐにわかったし、やっぱりそれなりに登場する。名前は知らないけど。