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マルセル 靴をはいた小さな貝のyuraのレビュー・感想・評価

4.0
小さなマルセルを大切に手に取るように、この作品も大切に大切に愛したいと思える作品でした。

配給会社による争奪戦の末、勝ち取ったのはA24でした~!!
タイトルのゆるゆる筆記体フォントとポップコーンの袋でパラシュートしてるマルセルのデザインがおしゃれでかわいい。

靴をはいてる貝のマルセル。🐚‎👟
アクティブなおばあちゃんのコニーと住人の男性ディーンと暮らしている。
ディーンがマルセルを主役にドキュメンタリーを撮影しSNSに投稿すると世界中で大バズり。
ちいさな生き物たちの失われたコミュ二ティ。
前の住人だったカップルの行方との関係。
大好きなテレビ番組「60ミニッツ」の取材。
世界中の有名貝になったことによる変化や自分との向き合い方の話。

ハンドミキサーで果実を落とし、埃まみれの鏡でスケート、移動手段はテニスボールの中に入ってコロコロ…bed はbred…はちみつを足につければ壁も登れる。ディーンの愛犬アーサーはちょっと安心できない。
2.5センチの身体には私たちが広いと感じるこの世界も何倍も何倍も広いんだろうな。
「ここはたくさんある大都市のほんの一部なんだよ。」
このマルセル目線の小さなひとつの社会、ひとつの哲学…。ドキュメンタリーだから壮大な起承転結とかなくて穏やかな気持ちで観れたのでよかった。

YouTubeのコメント見ながら「So cute." "Peace." Uh, yeah obviously peace. What a weird thing to see if someone else is into. Like of course I'm into peace. No, sorry, I'm a real war person. No, WAR. I sign all of my personal letters WAR.
(sarcastic) Let the battle begin.」
みたいなことをぼやくシーンがあるけど、皮肉に過ぎないこのセリフもマルセル(Marcel)という名前が「若き戦士」を意味することに繋がるのかなと思った。

変化を恐れてしまうときにそっと背中を押してもらえるような作品でした☀︎
これから大学生になり、今までとは全く新しい生活を送ることになりそうな私も慣れない環境に馴染めるかどうか不安でたまりませんが、それを乗り切ったマルセルを思い出して頑張ろうと思えました…!՞߹ - ߹՞(今観てよかった)

コニーおばあちゃまがずっとキーボードの上に立っててzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzがずっとパソコン画面に入力されてくのが面白かった

「Peaceful Easy Feeling」をマルセルが歌うシーンがお気に入り。初めてこの曲を知ったけど好きになりました~
マルセルがこの世界に存在すると思わずにはいられない。けどある意味ローファンタジー要素もちょっとあって、実際に(アメリカ人にとっては)身近なテレビ番組とか音楽が登場するからこそ私たちに寄り添ってくれるような優しさやノスタルジックな気持ちを感じさせてくれるのかも。

スタッフさんたちが妥協なしで丁寧に作り上げた心温まる1本。
それだけあってメイキングが面白かった…!
実写を撮影してストップモーションを撮って、その光や影の動きもぴったり合わないといけないという…それをやってしまうのが脱帽。
でもそれに気づかれないようにするという神業
実写で撮影に使った家具をアニメの撮影スタジオに持って行って二重に撮影する。その時に実写と同じ影ができるようにする角度や動きを解明して撮影しないといけない難しい撮影を長い年月をかけて丁寧に行ってきたのがすごい。
特にソファーは人形を置いてそのまま撮影しても重みがないため下に凹ませたり凸ませたりするための棒をつけて、マルセルたちの重みを表現したという話がびっくりでした。

マルセルの声はディーンの奥さんでした…繊細な心情の表現、飾らないマルセルの愛らしさが最高
ディーン監督はこれから実写版「リロ・アンド・スティッチ」の制作をする期待の星らしい…!楽しみです

予告で私が大好きなPhill Collinsの「Take Me Home」が使われてる(՞ . .՞)𓈒𓂂𓏸

にしても家特定されてそこでtiktok撮るとかそれは迷惑極まりないでしょ。
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