DK

13人の命のDKのレビュー・感想・評価

13人の命(2022年製作の映画)
4.0
控えめに言ってもちゃんと映画館で見たい映画だった。とくに洞窟内のレスキューダイブのシーンは大画面で爆音でみたら恐怖が倍増するに違いない。
海とは違う淡水環境でのしかも闇の中をトーチだけを頼りに進むダイビング。モチベーションは子供達の命を救うという一点のみ。岩盤の隙間に雨水が流れ込むから洞窟の中でも流れが生じる。想像しただけでもレクリエーショナルダイバーとしては足がすくんでしまう。国境を越えたのべ5000人の人たちの努力と、全員死亡よりもたとえ数人でも助ける、たとえ自分たちが犠牲になる可能性があっても、政治的な苦境に立たされようとも。リスクを顧みない究極の利他の精神を知ってロンハワード監督がこれは映画化してみんなに知らせないととなった結果なら、やはり素晴らしい監督だと思いました。

ドラマ要素を極力排し、救出にフォーカスし半ばドキュメンタリータッチで描かれていたのも、なにか作り手側の想いが伝わってくるようでした。ミャンマー系の少年サッカーチームのコーチがメディテーションで72時間の壁を子供達と突破してタイの国籍を得たり、山に入る雨水の流量を減らす努力をした人々がいたことなどにもスポットがあたっていたのもよかった。

そして
日本にこんな決断が下せる政治家っているの?
と思いました。
DK

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