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ショーイング・アップのcyphのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)
3.8
物語の中心にいるのが猫と鳩なのがよすぎ ライカート作品は動物に対しても忖度なく中心人物の座を譲るのがいさぎよくてかっこいい 個展初日というXデーに向かって苛々が募っていくかんじ、ずれた家族のひりついたやなかんじ、お湯問題、ふわっとした世界観(に見える、どうしても)の中でふわっと、しかし着実に準備が進んでいく焦燥感(焦げちゃった作品やランドアート)なんかの抽象と具象のバランスもよかった なにより猫と鳩がよい

ファーストカウに引き続きまたしてもアジア系のキャラクターが主人公に次ぐ重要人物として登場するのだけど、わたしの強烈な人種バイアスによってなんとなくこのふたりは表層的な(利害関係によってのみ結ばれた)関係にとどまるんだろうな、という印象を抱いてしまい猛省することふたたび ラストの鳩はある意味絵としてキマリすぎているけれど、ふたりのあの突然距離がたわんで呆気に取られるかんじのリアリティ(それはXデーを迎えた直後にだけ起こる魔法)がぐっとよかったので結果ぜんぶ上向きヤッターとなった
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