アヤネ

ショーイング・アップのアヤネのネタバレレビュー・内容・結末

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2024年72本目。
良くも悪くも「こういう映画」なんだな、というか。わかるようなわからんような、淡々と過ぎる時間が心地いいと感じる反面、リジーの焦りや苛立ちにこちらもそわついた気分になってしまうような。なんと言ったらいいかよくわからないなぁ。コメディという触れ込みを信じてもう少し軽やかな映画だと思ってたから特にかな。正直、ちょっと当てが外れた感がある。コメディではないだろこれ。
リジーの人の良さや生真面目さ、反面、鬱々とした目付きや全体的にかもす冴えなさ(服装もだけど、あの首を前に突き出して外股で歩く感じ)なんかにどこはかとなく親近感を覚えつつ、覚えるからこそ同族嫌悪的な不安も感じて、余計に気持ちまで引っ張り込まれた感もあるのかも。しんどそうだな…ってのが伝わるとこっちもしんどくなってきちゃうのよね。
作中にでてきた芸術たちについては「わからん」という感想しか正直ないのだけど、リジーが作品を手がけるのをただただ映してたあの数分間はとても興味深く見てられた。エンドクレジットもついじっと見ちゃったけども、人様の作業って見てると面白いね。色んなタイプのアーティストと作品を垣間見られたのも面白かった。日本の美大とか芸大とかもあんな感じなのかな。
「ザ・ホエール」で記憶に残ったホン・チャウが出てたけど、ぜんぜん印象が違ったから事前に知ってなきゃわからんかったろうなーと思う。才能に溢れ人気者だけど大雑把な大家兼隣人は、追い詰められてるリジーにとっては嫉妬や苛立ちの対象でもあったんだろうけど、ラストの、世間話をしながら煙草を買いに行くふたりはホッと息を吐けるような良いシーンだったなぁ。ああいう終わり方とても好きよ。あと猫はもうずっとかわいい。
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