はる

逆転のトライアングルのはるのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
5.0
あーもう最高です!めちゃくちゃ面白かった!!

冒頭のバレンシアガ!H&M!からコレ絶対好きなヤツだ!と確信してエレベータードア越しのあまりにしつこい問答で爆笑!そっからはずっとにやにやしっぱなしでした!

最近だと『ホワイト・ロータス』なんかもそうなんですけど、この手の富裕層をイジりまくったブラックコメディって永遠に観れちゃうくらい好きなんですよ。第二幕のヨットの件で特に好きなのは"あなたも泳ぎなさいよ"おばさんとそれにほとほと困り果てる乗務員のやり取り。ブルジョワのいけ好かなさがこのやり取りに詰まっていますね。そして上から下からの地獄の大洪水シーン。ゲロのシーンがある映画は数あれど画面上のほとんどのキャラクターが吐きまくる映画はそうそう無いのでは。個人的にはこの時点で百点満点が決定しました。

第一幕、第二幕、第三幕それぞれ違う趣があってラストを飾る第三幕では資本主義の逆転が巻き起こり、パワーバランスがひっくり返るのは痛快でありながらグロテスク。それでもやっぱり笑えて仕方が無い。

全篇に渡って底意地がとにかく悪いのが最高。必死にインフルエンサーやってるところにハエがたかる演出なんてのはもはや屍体も同然と言いたげなのではとすら感じる性格の悪さの極地だと思いますね。支配階級やフェミニスト、資本主義にインフルエンサーに対してここまで嫌な目線で自分の土俵に引っ張りだす監督の手腕にはあっぱれと何度賞賛しても足りません。私のような馬鹿な観客でも気持ちよく笑わせてくれる戯画的な部分といい、今年トップクラスにお気に入りの作品になりました。とりあえず早速2回目観ます。
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