方眼

CLOSE/クロースの方眼のレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.4
2022年”Close”。小6のときに仲の良い友達がいて、そいつと中1でも同じクラスになり、毎朝自転車で一緒に登校していたが、別々の部活に入り中2でクラスも変わり、中3になると友達グループもそれぞれ出来て自然と疎遠になったことを、久々に思い出した。現実はフェードアウト/フェードイン。「怪物」の続編のように始まる前半、美少年二人に見とれる。学校生活での他の生徒との関わりや二人の距離感、設定やストーリーを考えるのは難しく無いだろうが、思春期の生徒たちを撮って劇映画にしていることに驚く。カメラは常に近い。中盤からこの作品の輪郭が決まる展開になり、虚構度が上がる。ここ賛否あると思う。二家族の晩餐、常に緊張感あるが何気ない会話、未来が存在することが罪。レオは言わなければと言えないを行き来する、その心情は語られない。ソフトな学校生活、マッチョな部活、光と闇の農作業。原罪と告解、そして赦し。丁寧に配置された設定、二人の空想の遊びは剣で大人たちと戦うこと、レミの母の職業、レオ家は花卉農家なので離れられない、レオの部活、骨折と治癒、兄貴がいることの救い。1年でどこまで行けるか。あくまで現実的な物語だが、ここまで苦しむのであれば幻想を見せて、ホラーになったほうが登場人物は楽だろう、そんなことも考える。トリュフォー、スピルバーグから続く、横移動する少年映画。
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