ずっと彼のヒロインでいたかった。
僕はすべてを失ったが君は何も失ってはいない。あなたが大嫌いよ、と笑顔で言ったあの日から憎しみが止まらなくなっていた。始まりも終わりもたった一言で。海図も羅針盤いらないの。
明日10時、私たちのカフェで会いましょう。
無関心ではいられない。姉弟を繋ぎ止める抑えきれない感情が2人にとっては憎しみだった。ベクトルが違うだけで強さは同じ、愛憎はコインの裏表のようなもの。大嫌いと言えるのは深く愛しているから。いつかやり直そう、それは死んでからでは遅いのだと気付くまで。厄介で愛おしい、それが家族なのだ。