夜

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーの夜のレビュー・感想・評価

3.7
色んな意味で難しい映画だった。ジャンル的にはSFホラー。「肉体の変容」は往年のクローネンバーグのテーマ。とはいえ、新しい臓器を創り出すことができるヴィゴ・モーテンセンと、その摘出をショーにするレア・セドゥには、ついていけそうでついて行けない。。
名前の無い臓器は生命機能的には無くても問題ない。皮膚を切って内蔵をかき分けて取り出す姿は出産のそれ。自分自身で勝手に生成されたものを切り離すという意味では射精のそれ。摘出をセックスと呼ぶ場面もあったけどどちらかと言うと一人でおこなう出産や射精に思えた。同じ意味かもしれないけど。
痛みが無くなった世界では、実存を確かめるために自傷行為をする。痛みは無いのに流れる血を見て恍惚とする。感染もなくなり秩序立てられた世界では、生きているのが不確かなものになるなんて人間ってなんて滑稽なんだろう。
調子良い時また観ます、、
夜