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パラレル 多次元世界のWNTのレビュー・感想・評価

パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)
3.8
駐車アプリで一攫千金を狙っていたノエルたちは、シェアハウスしている屋根裏部屋で別次元に繋がる鏡を見つける。
あらゆる次元に繋がる鏡の向こうは時間の流れが違い、向こうで過ごす時間は長く、こちらで流れている時間は短い。
ノエルたちはパラレルワールドでアプリを完成させこちらに持ち帰ることで成功するものの、野心家の彼らはそれだけでは留まらず私利私欲のために鏡を使い始める。

向こうの世界での自分に見つからないようにパラレルワールドを利用して成果を出すことで自分自身を見失っていく。

やりたいことは何でもやれるし、お金を盗んでも物を壊しても自分たちの世界には影響しない。
自分たちの世界と違う点を利用してビジネスのアイデアにするところが面白くて恐ろしい。
果てしない欲望は破滅を招き、止まらなくなっていく。
こんなときに良心をもっている人がいないと全員が滅んでしまうなと思ってしまった。

パラレルワールドについての説明が多くテンポも早く進むため頭をフル回転させないと話についていくのが難しい。
けれどそこが楽しいところで、パラレルワールドに行ったらこんなことをしてみたいと思う行動を彼らがしてくれるのでワクワクする。

亡くなった父が生きている世界線を探している姿が悲しくて切なくて、私利私欲のためだけではなく、パラレルワールドも様々な使い方があると思わせるいいストーリーだった。

中盤から後半は一気に不穏な雰囲気になり、収拾がつかなくなっていく。

アイザック・エスバンはパラレルワールドや時系列もの、胸糞映画を作るのが本当にうまくて今回も最後まで期待を裏切らなかった。
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