カンパッチー

ノー・シャークのカンパッチーのレビュー・感想・評価

ノー・シャーク(2022年製作の映画)
3.6
延々とサメに食べられて死にたい女性のモノローグだけで進んでいく映画。

ひたすら独白だけで進んでいくので、つまらないかと思いきや、なかなかこのひたすらサメに殺される願望を話し続ける独白が面白いです。主人公の自意識の高さと、観光客を観察し、下に見ていたかと思えば話すとすぐに相手を気に入りくるりと掌を返したり、喰われたいなどと言う割にすごい自信過剰で、自分ほどの賢く面白い女性はいない、美人もいない、ここのビーチで一番素敵、出会った相手は一生私のことを思い出すだろうとか、キュートな魅力がいっぱいで素敵すぎるんですよ、この主人公。

いや、本当に108分、ずっと言葉の洪水なので、画面を観たいのに字幕の方を追いかけないといけないのはキツいですよ!なので一編が終わるごとにもう一度戻して、今度は画面の方に集中して観るというなんとも変てこな観方をしていました。

ラストもあっさりしているもののあっと驚く展開でしたし、確かにサメは一切、本当に嘘偽りなくこの映画に出てきませんでしたが、ジャンルは確かにサメ映画でした。人をとにかく選ぶ作品ですが、私はこの主人公の独白がすごく自分の琴線にヒットしたので面白かったです。