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ゴールデンカムイのJPのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.3
おいおいなんだこれ!べらぼうに面白い!画作りもさることながら、話がスリリングで荒々しい!コメディもちゃんと面白い!ハリウッドと遜色なし!実写映画化の相性がこんなに良い原作だったとは!

邦画ではほぼ初めて観る、IMAXのフルスクリーン!端から端までびっちり埋め尽くす大雪原!モフモフの狼!爆音で轟く大砲!熊の咆哮!もうこれだけで既に「ゴジラ-1.0」を余裕で超える。みんなゴジラもいーけどクマ見よーぜ!クマ!
金塊強奪バトル映画でもあるけど、モンスターパニック・クマムービー!狼と熊の戦いはもはや怪獣バトルさながらの迫力。

山田杏奈史上最もキャッチーでキュートな役柄だけど、父親を失った暗い過去を背負う役柄でもある。絶望に対峙し、たくましさとしなやかさを兼ね備えたアシㇼパは、まさに「ミスミソウ」から「荒ぶる季節の乙女どもよ。」までやってのけた山田杏奈が適役すぎる!
「人を食べた熊は悪い神になる」などアイヌの言い伝えを説くアシㇼパは、もののけ姫さながら。彼女からどことなくジブリの香りを感じるから、なんかずっと見ていたくなる。

冒頭の日露戦争の迫力すごい。ハリウッド並みの銃撃戦。爆発寸前の手榴弾を敵に投げ返す緊張感。刺されても撃たれても、目がイッちゃっててなぜか死なない杉元。山崎賢人とは思えないほど肌がボロボロに汚れていてすごい。刺青をめぐる物語であることも含めて、「肌」の生々しい描写が目をひく。

そもそも北海道が、日本なのに日本ではない雪国、感があって魅力的。あんまりスキーでシュンシュン滑りながら敵が追いかけてくる、みたいな画、そもそも見たことなくて新鮮。突如現れるアイヌコタン(集落)も、アイヌの文化が濃厚に詰まっていて、めちゃくちゃ面白そう!もっと見たい!
アイヌの慣習を自ら進んで実践する杉元が、異文化受容を体現していて◎
不意打ちで現れる永尾柚乃、めちゃアイヌの子で爆笑してしまう。セリフこそ少ないが、表情や仕草がめちゃくちゃ面白い。

優しい不殺生のアイヌと対比される、殺人日本軍人の残酷さ。
街で躊躇なく銃撃戦始めたり、みたらし団子の串を頬に刺したり、色々容赦無い。るろ剣っぽいけどるろ剣よりもかなり刺激的で痛々しいアクション!
戦争の亡霊としての玉木宏が、めっちゃクレイジーなんだけど、ある種の哀愁も漂うのが◎
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