幕埜リア

喜劇 特出しヒモ天国の幕埜リアのレビュー・感想・評価

喜劇 特出しヒモ天国(1975年製作の映画)
4.3
京都生まれ京都育ちには堪らない作品でした。

小学校四年生くらいに旅芸人の子供が転校して来て、近所にあった"かまぶろ温泉"を売りにした宿で半年か一年くらいか芝居を打ってました。
ストリップには縁なく一度も潜入した事はないのですが、本作の踊り子の控え室の猥雑な様子を観ていると、放課後に旅芸人小屋に潜り込んで、白塗りや髷の大人に囲まれて遊んでいたのが懐かしく思い出され奇跡的な出会いに感謝。
確かその転校生はお姉ちゃんと弟だったと記憶するのですが、今もどこかで大衆芝居を続けているのだろうか。

さて、本作。
ストリップ小屋の臨時支配人となりやがてストリッパーのヒモとなる山城新伍の美女玉ころがし感、憂いある表情が抜群に美しい池玲子、アル中の行き倒れから売れっ子ストリッパーとなる芹明香の天真爛漫、刑事からヒモへと落ちぶれるいつもの川谷拓三の情けなさ、子作り資金を稼ぐために嫁さんをストリッパーに売り込む聾唖夫婦の下條アトムは母性本能をくすぐる可愛げのある若者ぶりが新鮮。
かように役者陣も見応え充分。

この時代の後も、東寺DXや伏見ミュージックといった京都を代表するストリップ小屋の歴史は続きますが、本作では様々な人間模様で時代の光と影を映し出します。
本願寺系のボンさんの説法も重ね合わせ、新しい生命の誕生とストリップ関係者の凋落で見せるエンディングは、さながらPTAの「ブギーナイツ」のよう。

加齢臭香る満員の劇場で、二本立てもう一本を監督された関本郁夫氏のトークショーを聞きながらレビューをまとめました。
まもなく次の一本始まります。

2018劇場鑑賞46本目