喜劇 特出しヒモ天国の作品情報・感想・評価

「喜劇 特出しヒモ天国」に投稿された感想・評価

痣

痣の感想・評価

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イカれ坊さんの説法&ファンクのイカれ冒頭シーンとガサ入れのニューシネマ感
nagashing

nagashingの感想・評価

4.5
ストリップ小屋のバックステージもの。「性」を「生」へと敷衍し、劇場内の猥雑さを人の営為の豊かさとして描出する人間讃歌。徹底された無常観が死も誕生も悲しみも喜びもまるごと肯定していく、という時点でだいぶ屈折しているが、これを胡乱で諧謔に満ちた殿山泰司が説くことで、さらに奇妙な真実味がおびてくる。芹明香の自然体で自由奔放な立ち居振る舞い、細腕細足貧乳の東洋の女神感が尊い。世界をありのままに見すえる映画の透徹したまなざしをみごとに体現している。
imapon

imaponの感想・評価

4.8
喧嘩をするにも開張するにも超ハイテンションエネルギーで突っ走る傑作は殿山で始り殿山で終わる!

芹明香が唯一無二ぶりを発揮すれば川谷拓三もまた唯一無二。

雑魚寝の夜、拓ぼんと民夫ちゃんが数え歌のメロに合わせてピストンすれば萌子さんがヒス起こすなんて笑撃も。

歌い出す、踊り出す「黒の舟唄」天才!

池玲子がちょっぴりせつなくて、下條アトムがいい。
京都生まれ京都育ちには堪らない作品でした。

小学校四年生くらいに旅芸人の子供が転校して来て、近所にあった"かまぶろ温泉"を売りにした宿で半年か一年くらいか芝居を打ってました。
ストリップには縁なく一度も潜入した事はないのですが、本作の踊り子の控え室の猥雑な様子を観ていると、放課後に旅芸人小屋に潜り込んで、白塗りや髷の大人に囲まれて遊んでいたのが懐かしく思い出され奇跡的な出会いに感謝。
確かその転校生はお姉ちゃんと弟だったと記憶するのですが、今もどこかで大衆芝居を続けているのだろうか。

さて、本作。
ストリップ小屋の臨時支配人となりやがてストリッパーのヒモとなる山城新伍の美女玉ころがし感、憂いある表情が抜群に美しい池玲子、アル中の行き倒れから売れっ子ストリッパーとなる芹明香の天真爛漫、刑事からヒモへと落ちぶれるいつもの川谷拓三の情けなさ、子作り資金を稼ぐために嫁さんをストリッパーに売り込む聾唖夫婦の下條アトムは母性本能をくすぐる可愛げのある若者ぶりが新鮮。
かように役者陣も見応え充分。

この時代の後も、東寺DXや伏見ミュージックといった京都を代表するストリップ小屋の歴史は続きますが、本作では様々な人間模様で時代の光と影を映し出します。
本願寺系のボンさんの説法も重ね合わせ、新しい生命の誕生とストリップ関係者の凋落で見せるエンディングは、さながらPTAの「ブギーナイツ」のよう。

加齢臭香る満員の劇場で、二本立てもう一本を監督された関本郁夫氏のトークショーを聞きながらレビューをまとめました。
まもなく次の一本始まります。

2018劇場鑑賞46本目

このレビューはネタバレを含みます

「喜劇」とか「天国」とかいうタイトルに騙されてはなりませんぞ。京都の、そして巡業先のストリップ劇場を舞台に、そこに出演する踊り子達と彼女らのヒモ達との悲喜交々、波瀾万丈の人生を描いた人情噺の群像劇で、人の世には楽しいこともエロいことも、辛いことも悲しいこともあるぞという実にイイ話。冒頭いきなり出てくる怪僧 殿山泰司のお説教じゃないけど、「生きててもあの世へ行っても助からん」「生きてる内は地獄じゃぞ」といった重いテーマもある。そもそもこの寺の墓地の隣がストリップ劇場なわけで、インチキ臭い和尚の説教に頷くだけの老婆達と、ピチピチの生気溢れる踊り子を交互に見せたりしてくるのですよ。エロスとタナトス。。。

しかしこれはとってもバイタリティ溢れる映画でもあった。主役(?)の山城新伍はお調子者で憎めなくてカワイイし、ストリップ小屋の女達、花形踊り子ジーン嬢(池玲子)、アル中のローズ嬢(芹明香)、性転換美女サリー嬢(カルーセル麻紀)はとってもたくましいし、老振付師の藤原釜足は「現役」だし、そして一気に人生転落していく川谷拓三はギラギラしてるし、下條アトムと森崎由紀の聾唖夫婦の健気さなど、見どころ満載。




【この後ネタバレ】

山城チョメチョメ新伍であるが、最初、車のセールスマンだったのが、ストリップ小屋の社長に月賦の取り立てに行っている内に無理矢理劇場の支配人にさせられ、いつの間にか花形踊り子ジーン(池玲子)のヒモに。そして、放蕩のあまり彼女に逃げられ、別の踊り子ローズ(芹明香)のマネージャーになる。しかしついにはローズに未練ありまくりの川谷拓三(この人も刑事からローズのヒモ、そんでアル中のストーカーと真っ逆さまに転落)に刺されちゃうという、まさに波瀾万丈の生き様。なんとか一命を取り留め入院中の新伍をジーンが見舞うんだけど、その時のジーンの思いも新伍には届かず結局女心が分からないダメな男のもとをジーンは去って行くのだ。(これはそのまま実際の山城新伍の哀れな晩年にも重なるわけですな・・・。)

山城新伍がカワイイと言われてもピンとこない人も多いことだろうが、この写真の池玲子とのシーンの「なんで?」というセリフなんて、こりゃあ女は放っとかないやというカワイサ炸裂。そんでもってズルイのである。
この人、去年見た「瀬戸はよいとこ 花嫁観光船」でも、最初は真面目で一途な青年→次第にお調子者のスケベ野郎の本性を顕すというキャラだったのだが、本人がまさにそんな感じだったんだろうなと思われる。
そして、ローズちゃんこと芹明香の体当たり演技も凄かった。終始酒浸りでいつ死んじゃうかとハラハラさせる危うさながら、逆に最も生命力強そうなキーパーソンである。最後、一斉手入れで護送される京都の町中を睨み付けるその面構えよ!

冒頭の寺とストリップの対比も面白かったが、劇場の楽屋の蛸部屋で、踊り子達とそれぞれのヒモ達が寝泊まりしてるっていうシステムも興味深かい。そんで、ある一組が「行為」に及ぶとそれが伝染し、しまいには全員が緩やかなピストン運動の波を起こすという、奇跡的な名シーンも見逃せなかった。
ちなみに、タイトルの「特出し」とは、ストリップ嬢が局部をお客さんに見せちゃうことで「御開帳」とも言う。そんでさらにちなみに、後半のテーマ曲のように歌われる「♪男と女の間には、深くて暗い河がある・・・」は、野坂昭如や加藤登紀子らが歌った「黒の舟唄」という曲である。
Nishmarra

Nishmarraの感想・評価

4.2
お坊さんの説法と、元刑事のヒモ男が怒って床に投げつけたサイダー瓶が跳ね返って自分のスネに当たり、そのスネを抱えながら芹明香にチューリップ見せられるシーンが好き。
池玲子の切ないパートが実はそんなに中身もないんやけど作品を正すような魅力があって良かった。
池玲子がどのスケバン映画よりも生き生きとした演技をしている。それまでも片鱗が見えていた母性、菩薩様かと拝みたくなるような海のような大きさが爆発。一所懸命な人を讃える人間賛歌のようでありながら、死ぬときは死ぬし堕ちるときは堕ちる。その無常感がすごい。
普通ストリッパーは動きまくるので池令子の様な体型の女はいないし、いても段々痩せていくものだけど、それを感じないぐらい似合っている。池令子に演じられない水商売は無い。
豊満な肉体に男を沈み込めるような山城新吾との濡れ場は母性120%。
山城新吾が足でブラをつまみあげたことで我慢の緒が切れるってとこが生々しい。

後半のヒロインはほぼ芹明香。
※アル中という設定だがシャブ中の演技とほぼ差は無い
葬式では『黒の舟唄』に乗せてストリップを始め、灯籠流しの中を全裸で泳ぎ、骨壺を漬物器にしようとする…
特に“死”に関連する場面でことさら過激、かつ淫乱に振る舞っては“生”を発揮していた。
“聖なる淫売”とでもいうか、ただのキ○ガイ行動なのに、全てのシーンが印象的でなぜか泣けてくる。

特に好きな場面は葬式ストリップのシーン。
ローアングルのせいか、芹明香の生をかぶりつきで観ているような気でいた。
oekoju

oekojuの感想・評価

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ストリッパーとそのヒモ(自称マネージャー)たちの悲喜こもごも。
すっぽんぽんになっちゃえば生の人間がにぶーく光る。
丸裸の魂がミラーボールにあたって時に滑稽に時に痛々しく乱反射する。

中古車ディーラー(?)→ストリップ小屋支配人→ヒモ→アル中のヒモ
という山城新伍のローリングストーンぶりもすごいけど、
刑事→ニート→アル中のヒモ→アル中→傷害犯
という川谷拓三パイセンの華麗なる転身には脱帽。

だらしなくぶらさがる男どもを尻目に堂々とステージに立つ女たち。
池玲子も芹明香も男だがカルーセル麻紀もライトを浴びずとも光ってる。
ラストの目力に男はなすすべなし。

釜足夫婦と聾唖夫婦のひたむきさが妙にしみた。
黒の舟唄と殿山住職の無情な説法が耳に残る。
パンツの裂け目から警察手帳が見える演出はグレイトかつクレイジー。
ステージの上を、その他の場所とは一線を画する特別な空間として撮れているし、楽屋での悲喜こもごもはありつつも、踊ることに誇りを持っている女たちに魅かれる。こういうの大好き。
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