EugeneHashimoto

呪詛のEugeneHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

呪詛(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

鼻血が出る程度のことなら視界に蝿がよぎるほどのさり気なさで流される。タメとかはない。いちいちタメなんか設けてられないくらい異常現象がどんどこどんどこ発生する。景気がいい。ゴキブリは窓を突き破るし牛肉は蠢く(わりと全部怖がってたのだけど、牛肉が動いてるのだけは、それは毛色が違うやろだいぶと思って冷静になった)。

冒頭の交通事故の映像がかなり怖かった。天井にいるというオバケと手を繋がされるくだりもよかった。

歯、髪、名前、虫。
蜂の巣のような炎症と芋虫がかなりえげつない拡散のイメージとして機能していると思われる。呪いを感染のイメージで描くのはわりとよくあるような気がするけど、これはどちらかというと托卵とか寄生のイメージ。

映画そのものが観客を裏切る仕掛けはすごいおもしろかった。一人称視点(でも必ずしもないけど)の形式から離れてこういうことができたら新しいジャンルになりそう。ジャンルになっちゃったら効かなくなっちゃうか。

最後の仕掛けが強力に炸裂するからあまり気にならなかったけど、思い返してみるとけっこう散漫だったかもしれない。物語はむしろ単純明快なのだけど、起こること現れるもののひとつひとつがそれにどう関係するのかいまいちピンとこない(観てるあいだはめちゃ怖いから全然気にならんが)。
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