藍紺

帰れない山の藍紺のレビュー・感想・評価

帰れない山(2022年製作の映画)
3.9
何不自由なく育ててもらい教育を受ける機会にも恵まれているが、自分が何をすべきなのかが分からないピエトロ。小さな山間の村に生まれ勉学に励む機会を与えられず職人として生きるブルーノ。幼い頃に友達として出会った彼らが別れ、大人になりまた‪”‬山‪”‬で再会をする。

人生が詰まってたなー。早くから目標が定まって邁進してる友人を見ると、フラフラしてる自分が遅れを取っている気持ちになって焦るのはすごく理解できる。でも定住しても悩みがなくなる訳じゃない。揺るがなくなる訳じゃないのだ。

途中、二人で山小屋を建ててる際に出てきた木を植えかえる場面は心に残った。ブルーノがピエトロに話した言葉がとても示唆的で後々の結末を思うと考えてしまう。

思春期って厄介なものだと思いがちだけど、きっちり大人になる前に経験しておいた方がいい場合が多いのかな?父親に反抗して、父親と過ごせたであろう貴重な時間を失ったことをピエトロは嘆いていたが、そのことに気付けるだけ幸せなのだと思った。
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