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#マンホールの8637のレビュー・感想・評価

#マンホール(2023年製作の映画)
3.9
思い返す。全ての仕掛けは彼にとって何の為に用意されていたのか。正義に狂った涯てにマンホールという"もう一人の主人公"のもとに堕ちていく。間違ってるのは我々の感覚か?彼の妄想か?孤高のままジョーカーへと突き進む中島裕翔に何を思うのか...

キャストも熊切監督も豪語するほどの、日本のシネコン系では滅多に観られない狂いっぷりと映像。渡邊琢磨氏の音楽と編集がキマッた冒頭からまさに"近代のスリラー"って感じで楽しませてもらった。
それ故、物語にはヒトコワ要素も含まれる。自分の狂った一面を悔い改めさせられそうな気もする。切迫した状況の中で嘘をつくもんじゃないですね、ギアの蓋を外せば罪悪感なんていくらでも忘れられちゃう。川村も、スマホの先の誰かも。

ここまで割と淡々と語って来ましたけどね...本当に結末でしか明かされないものが大きすぎるとそりゃ何も言えないですよ!一人芝居が飽きないように上手く作られてるし、中島裕翔と映画的仕掛けが共存していて、ずっと電話口の奈緒も絶妙に癒し。それを乗り越えた先にある秘密...
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