Sasada

プアン/友だちと呼ばせてのSasadaのレビュー・感想・評価

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)
3.0
実にスタイリッシュでリズミカル。
場面転換とかいちいち洒落てて、カセットテープを使って前後半を分けるアイデアにもグッとくる。
バッドジーニアスも確かにこういう“語り方”が魅力的な映画だったなと。

主題歌も良くて、テンション的には「いい映画見たなー」でスクリーンを後にしたけれど、振り返れば振り返るほど「いやいやんなことねぇわ」となる映画なのでした。

癌を宣告された男が旧友を誘って元カノたちに会いにいくsideAと、彼の本当の目的が明かされるsideB。きっちり二等分された構成なのだけど、その真相がはっきりくだらないし、それとは別にsideAもいらなくね?と。

あんたらの“友情”のために利用される者たち(女たち)への配慮があまりにないと思ったし、それは病によってエクスキューズが付与される類のものではないと思う。

そりゃあ人と人とは関わり合い、時に傷つけ合い生きているものだけど、それを理由に許されようとするのは都合良すぎないかな。

持つものと持たざるものっていうテーマはバッドジーニアスにも通ずるもので、それが決定的に響く物語ではあったけど、どうにも美化するのは難しいなと感じる作品でした。
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