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恋文の一のレビュー・感想・評価

恋文(1953年製作の映画)
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駅のホームで再会したモリマと久我美子を電車の中から捉えて、扉が閉まり、そのまま二人を取り残して走り出すと回想へ。立ち止まった被写体を取り残してカメラだけが先へ進むやつ、『乳房よ永遠なれ』におけるバス停の場面でもすごく印象的だった。で、そのあと再会を喜ぶかと思いきやがんがん酷い説教かますモリマの元から、傷ついた美子が画面の奥へと小さくなりながら去っていくショットがまたとても良い。美子と道三重三の結構な距離を隔てた切り返し会話シーンが不思議に印象的。年増の洋パンを楽しそうに演じる絹代や横須賀のマリーこと中北千枝子をはじめとした有名俳優のカメオ出演や東京ロケ撮影もちゃっかり楽しい。
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