くう

ナワリヌイのくうのレビュー・感想・評価

ナワリヌイ(2022年製作の映画)
3.2
現ロシア政権の反対勢力 アレクセイ・ナワリヌイ に対する暗殺計画、情報妨害、拘束などをまとめたドキュメンタリー作品。

物語性は一切ない完全ドキュメントだけれど、物語として面白い。「面白い」と言っている場合ではないのですが、映画作品ですからね。

かの国をどう考えるか、このドキュメントは真実なのか、などは置いておいて作品の話をします。


政治活動家で弁護士であるナワリヌイのフットワークやトーク力は軽ろやかで前向き。

家族そろって美形だし、本当に俳優を使ったドラマのよう。

言論の自由があるように見せかけて実は統制されている状況は恐ろしい。そして、家族はよく人質に取られないなぁ…と思いながら見ていた。

有名になれば危険は薄まると信じていた。けれども、逆だった。

有名になれば居場所が分かりやすく目を付けられやすい。

世界が味方でも逃げられない。巻き添えになる人たちの状況にも不安感が高まる。

ドキュメントはラストに行くにつれ、普通の物語のようにサスペンス味を帯びていく。


かの国に興味のある人も、かの人に興味がある人も、政治物語が好きな人も「映画」として満足できるのでは。

他のユーザーの感想・評価

opoko

opokoの感想・評価

3.6
2023/06/04視聴、U-NEXT

2年前の公開作品だが、最近劇場での再上映を知り、今観るべき作品だと感じて、配信で視聴しました。

「プーチンがもっとも恐れた男」プーチン政権に対して正面から闘いを挑んでいるナワリヌイ氏。

不勉強でもうしわけないが、本作品を知るまでナワリヌイ氏の名前すら聞いたことがなかった。
また現在もロシアで投獄されており、かなり厳しい状況であることも映画鑑賞後に知った。

しかしながら、本作後味が悪いというか、鑑賞中も鑑賞後ももやもや、イライラする作品だった。
彼の政治的な行動、祖国ロシアに帰った勇気は賞賛に値するんだろう。
しかし、毒殺されかけた後の犯人捜しを支援する人たちや証拠をメディアやSNSを通じて拡散する手法は、あまりに危険だと思うし、危険であることは皆が分かっていたはず。

支援者も多いのは理解できるが、ロシア(プーチン)という巨人に普通の人間が一人矢面にたっても勝敗は見えている。

ベリングキャットのジャーナリストであるクリスト・グローゼフとナワリヌイの反腐敗財団の調査責任者であるマリア・ペフチフは、もっと他にやれる方法があったんじゃないかと思うし、なぜロシアに帰国させたのか悔やまれてならない。

終始イラつくなかで、毒殺未遂後のドイツでの治療支援では、当時のメルケル首相は素晴らしく、心が安らいだ。

余談:
スコアが低いのは、作品のシナリオにではなく、ナワリヌイ氏を支援したクリスト・グローゼフとマリア・ペフチフ対してのイライラのせい。
事実は小説よりもなんとやらと言うけれど、構成、ストーリー、後味の悪さ、ドキュメンタリーもとい映画作品として素晴らしい出来栄え。なんじゃこりゃ。
Amos

Amosの感想・評価

-
食らった。
観終わって数分動けなかった。

いまだに自由も平等も存在しない国が、日本の隣にあるという現実。

国民は何もできない。

戦争はなくならない。
kyokoholic

kyokoholicの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画みたい。
ほんとに起きてるなんて。あの電話で喋ったサイエンティストはやっぱりもう死んでるんだろうか。
ナワリヌイさんが釈放される日はくるんだろうか?
ロシアに帰る決断はすごい。飛行機旋回しすぎ。

ナワリヌイさんイケメン。
arcO

arcOの感想・評価

4.0
下手なサスペンス映画より面白いと同時に、ロシアという国の不気味さを目の当たりにした映画だった。プーチン政権が自分に歯向かう人物たちを次々と暗殺するという疑惑は知っていたけれど、その天敵たるナワリヌイ氏をここまでなりふり構わず排除しようとするとは、その冷酷さに戦慄せざるを得ない。そしてその体制に立ち向かおうとするナワリヌイ氏の強さにも頭が下がる。ウクライナ戦争も含めて混沌としつつあるロシアだけれど、平和のためにもプーチン政権の一日も早い失脚を願うばかり。
Reina

Reinaの感想・評価

3.8
これが本当にあったことだとは
思えないくらい非日常的な作品でした。

この作品を観るまでなナワリヌイ氏を
知りませんでしたが、
なかなかあんなに勇気のある行動を
出来る人は居ないと思います。
これがドキュメンタリーなのが凄い。
毒殺未遂があって、拘束されるとわかってるのに、殺されるかもしれないのにロシアに戻る。。。
入国するシーンで涙が止まりませんでした。
信念を持った人の強さを痛感しました。
「怖くない」という言葉に重みがありますね。

(評価基準)
3.0< 面白かった
3.5< また見たい
4.0< DVD買って保存したい
4.5< 一生ものの映画
ずっと見たくて、1週間リバイバル上映してたから雨の中遠征。

うわー。なんかすごかった...
スパイ映画に出て来るような本当の話。

自分が知ってる世界って本当に表層的で、知らない事って山程あるんだなって改めて思い知らされる。
パズルゲームの様に謎を紐解いて行くことって現実にあるんだな。

というかここまで作戦の舞台裏見せちゃっていいの?っていうくらい引き込まれた。ほぼリアルタイムに起こってた出来事で、スピード感がすごい。メディア戦略も見事。ニュースってこうやって裏で誰かが動かしてるものなのかもしれない。

あのワナの電話のやりとりも巧妙。ナリワヌイ氏の演技も見事。
動いてるナワリヌイ氏を見て、意外とお茶目な所?もあるんだなーって思った。

ナワリヌイ氏の肝の座り方というか、ブレない信念というものがすごい。
私ならあそこでわざわざ戻らないかもしれないな。。。どうなるかわからないのに。
そして革命家の家族は気苦労が絶えないなーと思うけど、家族の絆もあってすごい。奥さんも闘う女性やな。

ベルリンの街並みも出てきてめちゃノスタルジー。。CHARITIEやー😂😂😂そしてナリワヌイ氏は黒森に居たんだね。知らなかった。

あの化学者の人確実に消されてるな...
可哀想に。。。
口には気をつけなければ👄🈲
待って、ロシアのウクライナ侵攻を受けて制作されたドキュメンタリーじゃなく、たまたまタイムリーになっちゃった作品なの?ひえー。ナイスタイミング?と言うのは不謹慎ですよね。
祖国を愛するゆえ、帰国せねばならぬ、例え罠が仕掛けられていようとも!で、現在牢屋の中でまた毒殺されかかってるとか。ロシアやべー。
にしても最初からヤバさを自覚してるからこその、いつでもどこでもカメラ回しすぎ作戦。そのお陰でこの作品出来た訳だが、撮影し過ぎて、モキュメンタリー?とすら思えて来ると言う。出過ぎた杭は打たれない?いやそれでも打つのがロシアでありプーチン。
ゆri

ゆriの感想・評価

4.3
毒殺されかけても、投獄されると分かっていても国に戻る、ナワリヌイの意志の強さとその勇気が常軌を逸してる。でも盲信すべきでないと思うから色んな面を知りたい。
かなり完成度が高い没入感のある作品だったな。魅せ方が上手い。その人物どうこうじゃなくて、作品としての★
自らを殺そうとした人達に電話をかけるシーンは見切り発車すぎるのと、プーチンにどうしたってヴォルデモートみたいに名前を言われないの笑ってしまった。
悪が勝つのはひとえに善人が何もしないから、行動を止めるなって最後に笑うナワリヌイがやっぱり強すぎる。
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