Kubo

ヴィレッジのKuboのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
4.1
絵画において、ゴシック派やロマンス派などの
言葉があるとするなら
映画に置き換えた時、藤井道人 監督は
絶対に" 社会派 "だと感じられる。


本当に、物語に生きる人物に苦汁を舐めさせる
(涙を流させる)のが、巧みな監督さんだと改めて思いました。


登場人物にとっての世界そのものを表す『村』
物語の包括的なメタファーとなった能の演目である『邯鄲(かんたん)』
また、その能は"自分の内面と向き合い、正解・不正解も存在し得ない、それぞれの"解釈となる

といった要素に加え
引き続き、貧困や格差社会、慣習や因習といった
(霞門)村を巧みに活かした日本の閉塞的なところを掘り下げる作業が、何故だか心地良くなる。


邯鄲の夢、と調べると出てきますが
< 人の世の栄枯盛衰のはかないことのたとえ >
と出てきました。

正に、今作の流星くんが演じる優〜
夢落ちのような始まり方をする今作に相応しく
物語を観進めながら、夢の中なんじゃないか?と
少し慄きながら魅入ってしまいました。


横浜流星くんの声色・表情だけでも
十二分に愉しめる一作だと思います。
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