Tラモーン

それでも幸福でいなさいのTラモーンのレビュー・感想・評価

それでも幸福でいなさい(2021年製作の映画)
4.0
東京で役者の卵としてもがくリク(中澤梓佐)は自分にとっての幸福を見失いかけていた。そんなとき故郷の母親から荷物が届く。電話で母親の声を聞いたリクは衝動的に故郷へと向かう。


たった13分の中でリクの感情の揺れ動きが振れ幅あってグッとくる。

気を張ってなんとかしがみついている東京での生活。たまのオーディションを受けるばかりで日の目を見ない役者業に、生活のため掛け持ちしてるアルバイト。
心の拠り所だと思っていた彼氏(だと思っていた)は最低の男。

張り詰めていた糸がプツリと切れたようにリクはろくすっぽ支度もせず故郷へと電車に飛び乗る。

なんの連絡も無しにパジャマとサンダルで突然現れた娘に対し、理由も聞かずにお茶を出し世間話を始める母親(峯村リエ)の優しさが沁みる。

"生まれたときからあなたのファンよ"

2人で風呂に入ってるシーンは何故だかウルウルきてしまって仕方ない。
母親の優しさに包まれたリクの表情が行きと帰りで全然違う。

親は子どもには幸福でいてほしいよな。

中澤梓佐さん、めちゃくちゃいい役者だな。
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