半月板損傷

ファンタスティック・プラネットの半月板損傷のネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

国を統治するうえで重要なのは教育。
民は教育次第で、厄介な利口者にもなればコントロールし易いほどよい馬鹿にもなり、ナショナリストにもなればグローバリストにもなるというのを、シュールな世界観のなかで残酷に描いている。

人間が下等生物として昆虫みたいに扱われている世界線。

上位生物たる巨人に母親を虫けらのように虐殺された人間の孤児が、理解ある巨人の女の子に拾われて飼われることになるも、その女の子を介してしたたかに同等の知識・教養を得ながら成長し、やがて脱走。壮大なリベンジを画策するという話。

一方で何ら教育を受けていない他所の家のペット人間達は文字通りの扱いを受けていて、カブトムシとかクワガタみたいに闘わされたりしている。
しかし実は巨人たちも人間のポテンシャルに一定の警戒心は持ってるフシがあって、だから故意に教養を与えないようにしているし、人間が力を付けぬよう、かと言って反発もせぬよう、度々その扱いを巡って議会でも議論している模様。

やがて脱走した主人公が「野良の」人間たちと合流してレジスタンス活動に加わるるんだけど、なんせバカばっかで最初は手を焼くわけです。
しかし主人公が持ち出したデバイスで地道に教育を受けさせることで、巨人種にリベンジするだけの知識を得ていく。これはとても時間のかかることだ。

巨人が危機管理能力をもった知的生命体でありつつ、どこかボケていて、ヘンな瞑想の儀式に依存していたりして、そこにセキュリティ上致命的な脆弱性があるってのもなんか面白かった。
半月板損傷

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