このレビューはネタバレを含みます
サイコ仕立ての格差社会〜皮肉を添えて〜
職業格差や消費社会の理不尽さといったメッセージ性を感じた、奇妙なテイストの作品だった。
少しずつヒートアップする悪意のあるサービスに「次のメニューはなんなんだろう」とゾクゾクさせられて、コース料理を食べにきた感覚だった。
ニコラス・ホルトが、ウォーム・ボディーズで人間味のない中に人間性のあるゾンビ役を演じたのに対比して、人間の中にある人間味のない部分が露見した今回のタイラー役では、気持ちいいくらいに気持ち悪かった。グルメでありながらシェフになった途端、即興でメニュー考えさせられて駄作扱い受けるシーンでは、サービスの受け取り手があれこれ口出しするのは簡単だけど、奉仕する側がどれだけ考えて時間を費やして最高の一品を作り出そうとしているのか、そしてそれを実現する難しさで打ちのめしてくる感じ好きだった。
アニャちゃんのお顔と背中が美しすぎて、それだけでご馳走様です。そこにプラスして、強気なキャラやミステリアスな雰囲気を醸し出す演技も素敵だった。
「男の過ち」で夜の島を男性陣が逃げ狂ってる中、屋内で女子会始まってて面白かった。
残虐ではあるけれど、誰が生き残って誰が死ぬのか、最後どうなるのかがぼんやりわかる展開だったので、心の準備をしながら過激なシーンでも耐えれた。
ぱーん!ってしてから、毎回料理紹介する
奇妙なルールと、それをレイフ・ファインズ演じるシェフがやる辺りが、島の異常性を引き立たたせていてよかった。
コロナ禍で飲食店が一斉に閉店した時のこと思い出して、今一度食のありがたみとか食べる楽しみとか、ちゃんと噛み締めたいなって思ったし、お客側にはなりたくないなって思った。テイクアウトの流れも、現代ぽくてよかった。
映画館出て真っ先にチーズバーガーを食べに行きました。