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カラオケ行こ!のsoopenのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.2
面白い!これは笑って笑い過ぎて涙が出て、しんみりじんわり感動する部分もあり、でも最後はやっぱり笑っちゃう、そんな幸せホルモンいっぱいの作品。

あるヤクザの組長はカラオケ好き。組内カラオケ大会を開いては、ビリの組員に自分の手で刺青を彫る。しかしそれは素人の趣味なので、掘られる側は、死ぬ程の苦痛を伴い、しかも絵心のない組長の下手ウマですらない絵が延々と自分の体に残り続ける恐怖。ここから逃れる為にはなんだってやる!…と一念発起した若頭の成田狂児が、向かった先は合唱コンクールで目を付けていた人物、中学3年生の岡聡実に教えを乞うことだった。

なんでヤクザが合唱コンクール⁈なんで中学生?まぁ部長だけど…
理由は分からないけれど、とにかく捨て身の『お願い』に、最初はハリネズミだった聡実クンが、少しずつデレ混じりに、狂児に心を開いて指導していく様子が、まるでロマンスのようだなと思いました。これは関西弁だから成立するヤクザと中坊のユニークな会話なのかも。標準語だと中坊の言葉はキツ過ぎる気がする…関西人の方が観れば、面白さは倍増でしょうか?
あまりに面白かったので、漫画原作も購入。驚いたことに作品に忠実に描かれていました。原作者もここまでやってくれれば文句はない気がする…

綾野剛が素晴らしい演技で、とてもカッコいいのですが、そもそも歌が上手いので、彼がビリになる可能性を考える必要はないのでは?(笑)16歳の齋藤潤君もキャラクターに抜群にシンクロしていて、今後が楽しみな俳優さんです。芳根京子は、2015年に自分が合唱団員のドラマ『表参道高校合唱部!』でドラマデビューして、その約10年後に今度は引率の教師役とは感慨深い。しかもそのキャラクターは、『チャンネルはそのまま』の雪丸花子役にそっくりな、天然ネアカボケ担当だし…
とにかくエネルギーチャージするには充分な映画でした。
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