ひでG

カラオケ行こ!のひでGのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.9
もう配信で観られるの?!劇場で観たかった邦画シリーズ①

日曜の朝に観たのですが、その日1日と今日も職場に行く途中の自転車でこの映画のキーになるあの曲を自然に口ずさんでいました!
カラオケ行った次の日に(最近は行きませんが、)カラオケで誰かが歌ったインパクトのある曲を無意識に口ずさむというカラオケあるあるですね😅

1月の映画の交流会で隣になった方が「絶対オススメですよ!」て強く推してくれたのが頭に残っています。世間的にもかなりの高評価を得た今年の年頭に公開されたばかりの映画をネトフリで鑑賞しました。

面白かったです。こういうあり得ない関係性や設定の軽いテイストの作品って、日本映画があまり得意じゃないような気がしますが、
(特に大手作品では)そういう意味ではとても上手く仕上がっていたんじゃないかな。

例えば、綾野剛演じる狂児の仲間のヤクザのオーバーアクトも、引いちゃうギリギリの派手演技、上手いなあって思いました。

主役の2人が何と言っても圧倒的に存在感と説得力がありますね。
中学生とヤクザという不自然さを徐々に感じなくなってくるのは、綾野剛さんと齋藤潤くんの演技力のクオリティの高さだと思います。
特に聡実くんがセットリストを用意してくれたあたりの、何で俺が?と思いつつ彼の人柄の良さみたいなものも自然に出ていて良かったです。

2人の絡み以外で僕が好きなのは、聡実の家庭や学校のシーン。傘のぐたりとかお父さんの無言の可愛いリアクションや、「あれまあ〜」みたいな女子のたむろ感も何かほんわかして心地よかったです。

全編、心地よい展開ですが、(ちょっとネタバレなので、ちょっと行変)









聡実くんが最後の大会に出なかったことは、僕はんん、、それで良かったのかなって引っかかっちゃた。
合唱コンクール一回並みの大熱唱の「紅」は素晴らしかったけど、、

と、先ほどは聡実と狂児の関係性みたいに書いたけど、こうやって振り返ってみると、
これは子どもと半大人(青年)の狭間にいる聡実の物語なのかなって、この作品の認識が変わっていきました。書きながらそう考えが変わりました。
ボーイソプラノと別れを告げなくちゃならない、そんな成長という名の時間の一方通行。
あの映画を観る部活の巻き戻せないカセットデッキと同じです。
そんな戻れない過去の遺物の象徴としての狂児という存在だったんじゃないかな。

お前は走り出す 何かに追われるように
俺が見えないのか すぐそばにいるのに

狂児は、風のように現れ、風のように去っていった。止めることのできない時間のように。

PS 芳根京子の部活の先生良かったです。
やっぱ生演奏は良いね👍
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