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FALL/フォールのSUのネタバレレビュー・内容・結末

FALL/フォール(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

600mの鉄塔を登るにしては軽装過ぎるとかロープ短過ぎとか食料なさ過ぎとかその辺はなんか近年パルクールなどで命を落とす方々界隈を見ても割とリアルな若者の姿に思えるので違和感はなく、むしろ同ジャンルスリラーには必要な要素であるのでいいとして、ハンターをバッグと共に引き上げるベッキーがいくらなんでもマッチョ過ぎるだろとか、ハンターが手を怪我しているからと言ってドローン初心者のベッキーに大事な場面でドローン操作をさせるのはおかしいだろとか、その辺りにまあまあ憤っていたが全て幻覚でしたか。やられた、、
落下という人間の根源的恐怖(チェンソーマン!)を煽るテーマというだけでスリル的には十分担保されるが、ワンシチュエーションスリラー一辺倒ではなく裏をかくトリックと、ありえなくもないか、と思わせるさじ加減のリアリティ、極限状態ではらわたが見える人間模様、ベッキーが自分の馬鹿さ加減に気付き父への愛を再確認する流れが割と重厚に描かれたことで、豊かなスリルと感動を得ることができほろりと泣けた。
ただ単にドローン解決エンドにはならずハンターの死にしかと意味を持たせたところも非常に良かった。
ハンターは、人生が儚いということを身をもって伝えたいという大義を持って危険行為をし動画投稿を行なっているタイプであるためまだ理解できなくもないが(動物の死骸を戯れで投稿するくらいには阿保)、世の動画投稿者が愉悦や自己顕示欲を満たすためだけに行う奇行はややもすれば命を危険に晒す事となる。命とは肉体的な命と社会的な命に分けられるがいずれにしても非常に危ういので注意喚起の意味でも多くの人が見るべき現代風教科書的映画かもしれない。
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