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X エックスのSUのネタバレレビュー・内容・結末

X エックス(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

老婆パールとマキシーンに共通する意識、自分らしい人生を謳歌できず老い朽ちることへの恐怖について、時代に抑圧され踊り子としてスターになれず思い通りの人生を生きれなかったパールと、リンダ・カーターの様にセックスシンボルとしてスターになる夢を目指し自由に生きるマキシーンが対比され表裏一体となる。驚くべき事にマキシーンを演じたミア・ゴスが同時にパールも演じており、この2人の不可分は「内蔵や血が苦手」なマキシーンが最終的にパールの顔面を車で轢き潰すことでも表され、またマキシーンはパールに「あんたのようにはならない」と言い放つことも、狂気に目覚めパール同様殺人鬼と成るマキシーンを容易に予感させる。続編が楽しみで仕方がない。
衝撃的な老人性交シーン、それによりハワードは心臓麻痺であっさり逝き、パールがショットガンを撃った反動で腰が砕けてしまうあたりは老いのテーマをしかと表現しているものの被害者にとってはラッキー過ぎるため、リベンジホラーとしてはやや物足りなさを感じたりと、正統派スラッシャーかと思いきや随所に細かい変化球を感じた。
大筋が悪魔のいけにえ、閉じ込められるロレインはシャイニング、池に沈んだ車やRJのシャワーはサイコ(シャワー中確実に惨殺されると思わされるが敢えてか全く何もなくズッコケた)というあたりは愛ある60〜80sホラーオマージュが明確に示されており面白く、池で泳ぐマキシーンの背後に迫るワニらを天高くから写す俯瞰映像は良きハイライト。後に凄惨な現場に訪れた警官が、マキシーンらが撮影していたポルノ映画のテープを見て言う「クソッタレなホラー映画じゃないか?」も最高。
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