このレビューはネタバレを含みます
自分用メモ
ネタバレ注意
イコライザーシリーズ最終作。
元特殊工作員で凄腕戦闘術を持つマッコールが、己の身一つで悪の組織に制裁を与える物語。前作と同様、人助けの延長線上で対組織を潰すようなものなので動機としては薄い気もするものの、処理は徹底的。特に今作は冒頭からスプラッター映画のような生々しい映像が飛び出すので視覚からのインパクト大。
音楽は全体的にあまり印象に残らなかったが、ヴィンセント(マフィアボス)を仕留める前に歌を口ずさんでいたのが少し不気味だった。歌っていたであろうi know it was the bloodという曲は調べて見たところアフリカ系アメリカ人の霊歌であり、イースターの時期によく歌われる賛美歌なのだそう。マッコールと聖母が映るシーンも多々見られたため、彼の信仰心を表すものとして歌われたとも取れるが、なぜもがき苦しむヴィンセントの前でわざわざ歌ったのか？もしかすると鎮魂歌としての役割もあったのか？など妙に引っかかる。
マッコールを演じるデンゼル・ワシントンの演技は凄いものがある。何気ない会話や挨拶の自然さがマッコールの好人物な性格を表しつつ、相手と対峙する際の表情には冷酷さと無慈悲さが際立つ。アカデミー賞俳優とは聞き及んでいたものの、今まで私が見てきたものとは一線を画すものがある気がした。
舞台はイタリアで、主にローマとカンパニア州アマルフィ海岸で撮影されたとのこと。マッコールが愛するのも無理はないほど、切り立った崖と入り江を埋める家々の風景が美しい。温かな住人たちとの触れ合いも伴って、怪我を負ったマッコールが療養するには良い場所であることは間違いない。
怒らせたらヤバいお兄さんの圧倒的勧善懲悪アクションは、必殺仕事人が好きな方にはよく合うと思われる。ただ、グロテスクなシーンが苦手な方にはオススメできない。
再度視聴するかは未定なので☆3.5
