タカシ

ジョン・ウィック:コンセクエンスのタカシのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

自分用メモ

ネタバレ本当に注意
IMAX


このシリーズの長丁場サバイバルアクションが大好きで今作もキアヌ・リーブス扮するジョン・ウィックの華麗なるお掃除を見てスカッとする予定だったのに、いつの間にか泣きながら視聴していた。

これまでの3作の要素を全て詰め込んだような今作。犬使い、ヌンチャク、パーティ会場で大勢に囲まれた戦闘、馬、車、バイク、防弾スーツ… 「あ、デジャヴ!」と思いつつ新鮮な気持ちで視聴。今作は前と比べて割とジョンが喋ってくれるシーンが多い印象、かつ表情も緩むところもあった気がする(最終決闘時ウィンストンに「楽しみなさい」と言われた時の呆れたように口角を上げた表情があったはず)。

アクションシーンは言わずもがなとにかく力が入っており、スタントも見てるこちらがビビるほどの衝撃で転がる、倒れる。特に222段の階段滑り落ちと凱旋門周囲の車に跳ねられるシーン、容赦がないので記憶に残る。スタントの方々へ深く深く礼をしたい。

アキラ役のリナ・サワヤマは歌手として発信するメッセージに共感するところが多く、俳優として今作出演するのを楽しみにしていたのだが、映画のために練習を重ねたというアクションはやはり圧巻。巨体の相手にナイフで立ち向かう姿が印象的だった。
物語上ケイン(ドニー・イェン)が映る時間が多い。盲目の殺し屋の演技が板についていて、とにかくバトルシーンがとんでもない。動きが大きく繰り出す打撃に重さと攻撃力を感じるジョンに対して、ケインは一つ一つの動きがミニマムかつスタイリッシュ、キレが早い。盲人の役ながら目線の向け方もクール。次は映画はドニー・イェン出演のものを観てみたい…
初っ端からバワリー・キングを演じる大好きなローレンス・フィッシュバーンが登場してくれて本当に嬉しかった。ジョン、正拳突きの地響きとともに。ローレンス・フィッシュバーンは頭のきれる役や豪快な役がとても似合う。

忘れたくないのでメモするが、とにかくキアヌが美しい。ライティングにより四方八方から様々な色の光で照らされる、色んなパターンのキアヌを見ることが出来るのだが、あまりに感情が高まって両目から涙。黒馬に乗って駆ける黒スーツのキアヌ。少しウェットでウェービーな髪と、光が入ると薄茶に輝く虹彩。最終的に制約から自由になり、愛する妻の名前を呟き、パリの夜明け、赤く温かな光を浴びて往生を遂げる。実は生きてましたのオチはもうないのだと自覚したとたんに涙。なんでだ、あんなに車にぶつかり、高所から地面に落ち、階段から転げ落ちても立ち上がった不屈が…と悔し涙のようなものを流した。ただしよく考えてみると、目的を果たすまで止まらない不死身の彼が、自由になるという目的を果たすことでやっと眠りにつくことが出来たという解釈であれば理解出来る、そしてまた涙腺が緩む。

グラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)の衣装に見入った。へそ当たりに下がる固有名詞の分からないチェーンが彼のアイコニックなアイテムとなっているようで、身体に完璧にフィットしたスーツや晴れ着がとにかく映える。オペラ座ガルニエ宮で撮影されたらしい、グラモンがケインに標的の名前を与えるシーンで来ていたビビッドな赤のタキシードは、彼の狡猾な性格、そして持てる権力の誇示のようにも感じた。

ひとつ注意なのは画面酔い。建物内を見取り図の用に俯瞰して撮る長めのシーンがあるが、そこで頭が痛くなってしまった。音楽も相まってか、全体的にゲームでよく使われるような撮り方が多いように感じた。3時間ものなのでお手洗も注意。

エンドロール後エンド、友人を救い自由を勝ち取って去ったジョンと、娘に会える喜びで胸を弾ませるケイン、そして…(大きなため息)

ひとまずもう一回高音質、高画質で視聴したい。大きな画面で見れる内は通えるようにしたい
タカシ

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