つかれぐま

イコライザー THE FINALのつかれぐまのレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.0
23/10/20@シアタス調布❷

【マッコールさんの終活😭】

主人公マッコールが下す正義の正当性。そこに思いを巡らせる終章だった。

冒頭@シチリアであれだけ殺す必要はあったのか。アマルフィでは常に「神の眼」が彼を見据え、守ってもらった警官親子も彼のモンスターぶりには怯えていたような。

過去2作では、その爽快さの前に見過ごされてきた「マッコールもまた殺人鬼」という事実に向き合ったフェアな作り。それでも彼を嫌うどころか、罪の意識に苛まれる彼の姿には胸が詰まるし、そうした清濁を合わせ飲むことで思い入れが深まる。そんな作品バランスに感謝だ。

★★以下ネタバレ★★
そして更に「死」とも向き合う。
たしか過去2作で彼は一度も撃たれていないのでは?(あまりに強過ぎて)。ところが今回、いきなり冒頭で撃たれたのはその状況含めて衝撃だった。あの場面でのマッコールの(これ以上生きることへの)絶望感と、その後流れ着くアマルフィの街が宗教的メタファーに溢れていることを考えると、彼はあの時死を迎え、臨終の夢を見ているか、あるいはアマルフィ=天国(死後世界)という解釈もできるなと思えた。多くの人が書いている「ホラー映画」感もそれゆえか。

いずれにしても「老い」や「死」にちゃんと向き合った"THE FINAL"に相応しい「終活映画」として見事な幕引きを見せてくれた(若い人にはどう見えただろうか)。

残念だったのは、ダコタ・ファニングの見せ場がもっと欲しかったかな。役柄違うけど、クロエ(1作目)の印象度には及ばず。折角『マイボディガード』観てテンション上げたんだけどね。