綾

ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界の綾のレビュー・感想・評価

5.0
すごーーい😭すごーーい😭ってなりながら観ていた。ずっとうるうるしてた。すべてが最新版にアップデートされたセンターオブジアースという感じ。さすがディズニー!一生ついていきます。

すごーーい😭ってなったその1。本当に、マインドも価値観もなにもかも最新版だった…!キャラクター設定は「ブックスマート」を思い出したな。あらゆる多様性が当然のこととして描かれ、そもそもすべてが前提、ただそうある、みたいな。こういう価値観に囲まれて育った世代が大人になったとき、世界はどう変化してるんやろう。

すごーーい😭その2。作品に込められたメッセージ性と、その寓意の仕方。途中でてきたカードゲームとか、とっても象徴的だった。イーサンのゲーム説明をききながら、ああ私はサーチャやイェーガー世代寄りなのかもしれないと少し凹んだ。でも、これからの世代が本当にあんな価値観を身につけていくのなら未来は明るいし、私も都度アップデートを重ねていきたいな。ああいう形で表現できるっていうのも素敵。

すごーーい😭その3。そもそも未知の世界をこんなに楽しく色鮮やかに表現できちゃうイマジネーションがすごい。わくわくして、胸がいっぱいだった。たくさんの含意がありながら、ひとつの冒険譚として楽しく収まってるのもすごい。

すごーーい😭その4。ストレンジワールドの秘密。パンドがでてきた辺りから、そういうテーマをもつ作品だと察してはいたけれど、表現の仕方が素敵で、うまく整理できないままボロボロ泣いてしまった。すごいなあ… やっぱり私は、誰もが考えるべき大切なことを、声高に訴えるのではなく、ファンタジーや物語の力を借りて届けようとする姿勢が大好きだ!

すごーーい😭その5。時代に沿ったアップデートを重ねながら、けれどディズニーが描いてきたのはいつの時代も変わらず愛や信じる心、勇気なんよねえって。そこも泣いちゃった。きちんと変化し続けながら、変わらないものがある。素敵だなあ、本当に。

この作品の結末は、今の世界に照らし合わせると、あまりに「理想」なのかもしれない。あらゆる文脈で。でも、こういう映画が作られていること自体に意味があると信じたいし、ユートピアという言葉の語源をふと思い出した。ここではないどこか。到達し得ない理想。けれど現実世界の指針として、存在し続けるもの。こういうハッピーエンドは、暗くて果てしない現実の海を照らす、灯台の光のようだと私は思う。みんなであそこをめざしていこうねって。たとえ完全に到達することはできないとしても。

私はこの作品に込められたメッセージや寓意の仕方にすごく感動したけれど、リアルディズニー世代の子どもたちがこの映画をどう観たのか、とっても気になるな。ここで描かれる当たり前を当たり前として受けとめ、問題提起をおぼろげながら心に刻み、ただ純粋に楽しんでいたのなら、本当に嬉しい。

こういう作品のおかげで、大丈夫、人間は少しずつ賢くなっていってるし、世界は少しずつ良くなっていってると信じることができる気がするな。は〜〜すっごくよかった。ありがとう〜〜😭
綾