ベルベー

野いちごのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

野いちご(1957年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ハートフルボッコ映画。これはきつすぎる。若者のやり直したい青春ではなく、老人が振り返る過去。やり直しのきかなさのレベルが違う…最後は、息子達ならやり直せる、若者達に希望をたくすっていう終わり方で美しいけど、やはり寂しい…!

偏屈なお爺さんが授賞式に向かうっていうロードムービーなんだけど、半分くらい寝てる間の悪夢(あと白昼夢)なのが独特の美しさ、恐ろしさを強めている。特に前半、死を予知する悪夢は普通にホラー。めっちゃ怖い。
そして、サラとの美しい日々、弟に寝取られる残酷な展開…これがボコボコにされる!!辛い!何これ!そして結婚した妻も愛せず、妻にも愛されてなかったこれでもかな描写。悪夢の中で失格扱いされ、「じゃあどうなるの?」「今までどおりだよ。孤独だ」分かりやすくメッセージにしないで!!こんなのきつすぎるよ!!

でも前述のように救いはある。息子夫妻は、きっと子どもをしっかり産むでしょう。借金についても、きっと大丈夫。現代を生きるサラたちも、最初ムカつく若者たちから気のいいやつら、そして最後には三角関係も解決するわけだし。ほぼ即死のダメージを受けるけど、わずかな希望は残る美しい映画でした。でも、晩年にこの映画観て辛くなる人生にならないようにしたい…。
ベルベー

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