このレビューはネタバレを含みます
なんとかならんか？タイトル（笑）
「レジェンド&バタフライ」
木村拓哉と綾瀬はるか…監督大友剣心（笑）
内容を想像するに相応しいタイトルなのかもしれません。
時代小説を好きになったきっかけは学生時代に読んだ司馬遼太郎の「国盗り物語」でした。
美濃のマムシ斎藤道三と織田信長の物語…
2人の不思議な友情にえらく感動・興奮したのを覚えています。
この映画に原作があるのかは知りませんが新たな解釈…特に濃姫と信長の関係性など実に面白かったです。
政略結婚のはずが人生を賭けた壮大なラブストーリーになっていく。
そんなのフィクションじゃん…と言いたくなれどそうではなかったという証拠もない訳です。
何より有名な信長ブレイクの「桶狭間」
あの奇跡のような戦略がうつけの信長ではなく道三の英才教育を受けた濃姫の進言によるなんて納得できる！
それにしてもあの「桶狭間」の合戦シーンが1ミリもなく全カットされるとは！
ファンとしてはちょっとショックでした。
全編この調子で有名な信長の天下布武への史実はほぼ省かれる。
描かれるのは信長と濃姫のラブストーリーのみといっていい。
言い方を変えればこの映画は信長戦記ではなく木村拓哉と綾瀬はるかをとことん味わう映画な訳です。
「『心』などわしにはとうに無いわ」
天下布武のため魔王に変貌していく木村拓哉の演技…素晴らしかったですよ。
綾瀬はるか…やはり美しい。
初夜の夜に木村拓哉を投げ飛ばすアクションのキレ！スタントレディの吹き替えなのか？馬を駆る様子はCG？
なんとなく大ボケのイメージがある綾瀬はるかが本当に戦国時代の女性に見えてくる素晴らしさ。
彼女の演技力と大友剣心の演出の成せる技ですね。
クライマックス…本能寺の変
明智光秀が接待の席でその不手際に信長が激怒し人前で足蹴にされたことなどに恨みを募らせついには謀反に至ったというのが定説になっていますが、この映画では濃姫との愛にすっかり丸くなってしまった信長に以前の魔王ぶりに心酔していた光秀は周囲を再び震え上がらせようと自分から提案して一芝居うったことになっている。
それでも信長は光秀の忠義に心打たれ徹底的に打ちのめすことができなかった…光秀はそんな「普通の人」になってしまった信長に失望し謀反を起こす…
これは素晴らしい解釈じゃないですか？定説よりもしっくりくるとさえ思ってしまいました。
さて賛否両論のラスト…
本能寺の奥座敷に秘密の抜け穴を発見した信長は単身燃え盛る本能寺を逃れ馬を飛ばして安土城に戻り病床の濃姫を連れ出して異国の船に乗る！（予告にあった）
これは観てる最中に「おそらく夢か妄想」とわかる作り方になっていて、信長の脱出も何か現実感のない作りだし濃姫の病気もいつの間にか治るわ渡されたばかりの異国の楽器を上手に演奏するわ…切ないけどこれはおそらく2人が死ぬ前に見ている夢幻だなーと悲しい気分になる。
それにしても夢や妄想にしては嵐に遭遇して力を合わせてそれを乗り切り新天地に着く頃には濃姫のお腹には新しい命が…ってそれはやり過ぎだろう？（笑）
おれは…これは夢ではなく現実として描き、そのままハッピーエンドで終わっても良かったんじゃないか？と思いました。
信長の遺体は発見されなかったという話もあるしこれがウソだという証拠もない訳だし…
そしてハッピーエンドで終わったこの信長と濃姫のラブストーリーの結末は…ひょっとしたら炎の中で見た信長の幻だったのかも？と思わせるくらいのバランスで良かったんじゃないのかな？
とりとめもなくそんなことを考えながら帰途についたのでした。
斎藤工！どこに出てるかわからなくてなんと家康だったとは！（笑）
斎藤工…絶対「ザ・バットマン」のコリン・ファレル（ペンギン）とか「エルヴィス」のトム・ハンクス（大佐）観た影響に違いないとおれは睨んでいるのだがどうだろうか？（笑）
