おれはロックファンです。
まさに中学生の頃セックスピストルズの洗礼を受けパンク・ニューウェイブにハマりました。
まあガキの頃はロックファンでいいけどいい歳になってくるとロック以外の音楽にも少しは造詣がないとみっともないということでクラシックやジャズもかじったりなんかして…
おれの様々な音楽との出会いはほとんどが映画…
羊たちの沈黙でレクター博士が『ゴルドベルク変奏曲』を聴いているシーンが気に入ってグレン・グールド演奏による『ゴルドベルク変奏曲』を探してみたり…
ガンダム・サンダーボルトでモビルスーツのパイロットがモダンジャスを鳴らしながら戦う姿に圧倒されモダンジャズの名作アルバムを聴いてみたり…
まあ時折そんなこともありつつ今だにロックファンな訳です。
漫画や小説に原作を持つ「音楽映画」は難しい。
原作では「想像」させてた音を映画では実際に聴かせなくちゃいけないから…
ある日本の監督が人気ロック漫画を映画化した時、その比類なき歌声をまさかの「聴こえない状態」で映像化したという噂を聞いて笑ってしまいました(観てないよ…大嫌いな監督なので)(笑)
…と言うわけでアニメ化が難しい音楽ジャンルの中で高評価快進撃を続けている…
「BLUE GIANT」
観てからかなり経ってます…レビューも難しいのよ…この映画(笑)
まず、ジャズ云々は置いといて宮本大という青年を軸に彼を取り巻く人々の青春群像劇としては抜群の出来です。とにかく田舎から上京した彼がサックスを武器にのし上がって行くストーリーはとにかく胸熱…クライマックスにはもう涙を堪えることが難しいぐらい…感動しました。
ただおれがちょいと引っかかったのはアニメとしての「絵」のクオリティ…
始まった時、昭和の熱血マンガか?みたいなキャラデザイン(原作に忠実なのかもしれないけど)そしてライブシーンに使われるコンピュータ・グラフィック…熱いストーリーについていけてない印象…
やはり先日「ファースト・スラムダンク」を観てるからね〜。おそらく現代における最高のアニメ表現のスラムダンクにはどうしても見劣りする絵だったのです。
冒頭に述べた如く「音楽マンガ」の映像化は難しい…おれは原作読んでないんだけどおそらくこのアニメよりはるかに面白いと確信しました。
だから音楽マンガを映像化する事に意味はあるのかな?と思ってしまったのです。
とにかく面白くて無茶苦茶感動したのにおれはこのアニメのサントラが欲しくなったりジャズを改めて聴いてみよう…とはならなかったのです。
宮本大が劇中で言う…
「ジャズは熱くて激しいものなんだ!」
熱くて激しいものはおれは「ロック」で足りてるもんな〜(笑)
この映画にJASSとライブを共にするベテランバンドが出てくるのですが…トリを務めるこいつらは自分たちを引き立てるためにまだ下手くそな宮本たちを選んだことがわかる。
なんかジャズってこう言う連中が多そうな偏見がおれから抜けない…「熱くて激しい」って言うけどオーディエンスはテーブルに座って首振って指を鳴らす…ジャズってそういう感じじゃないかって…(殺される)
原作読もうっと(笑)