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レジェンド&バタフライのpokotanのレビュー・感想・評価

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)
3.7
信長と濃姫の夫婦にスポットをフューチャーした作品で、確かに今まで見たことない信長映画ではあった。
序盤の信長は、やや調子乗りのうつけ者で、初夜の濃姫にコテンパンにやられるところや、鳥狩りの最中で崖から落ちるところなど、信長のイメージからはかなり離れた人物像となっていて、若干そんなわけないだろという違和感はあったものの、信長本人に会ったことはそりゃないので、もしかしたらこうゆう信長の可能性もあるのかも知れない。

その崖からの転落事件で2人の距離が縮まり、濃姫の父親である斎藤 道三の死去後の自害を信長が助けたことで50/50の関係となり、京での下町での惨事で濃姫が手を汚してしまったことで、2人にとっての夫婦という形が出来上がった。

何かを成し遂げる成功者の裏には、プロデュースしてくれる策士が必要なんだろう。
綾瀬はるかの凛々しさがとても良かった。
ただ、晩年の濃姫が、日本映画界特有の相変わらず女優さんの綺麗なままの姿を維持しており、演技力でか細く演じてはいるものの、見た目は死にそうにない姿なのが、残念。
特殊メイクで老けさせたり、激痩せさせるとかして、どうにかならなかったのか。
また、離縁したあとも気にはかけていたのかも知れないが、7年?も経過しているのに病気とはいえまた城に信長が呼び寄せる理由が腑に落ちなかった。

今作では夫婦の話として、桶狭間の戦いだったり、天下統一する姿を直接描かないことも新しい信長像の映画。
シーンが変われば、戦いはすでに終わっていたり、天下統一を成し遂げていたり、数年経過していたりする。

最後の本能寺の変は良かった。明智光秀の討ち入る理由がやや違和感はあるものの、急にんなわけというファンタジー展開になった時はどう締めるのか怖かったけど、まそりゃ夢オチだよなという
後で、信長最期のエンドロールへのもって行き方がかっこよかった。

CGを部分部分で使ってるんだろうけど、戦国時代の風景を体現出来るロケーションが素晴らしい。
長尺ではあったが飽きさせず見応えあり、面白かった。
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