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追想のahのレビュー・感想・評価

追想(1975年製作の映画)
4.8
昨年のベストムービー、タランティーノの「Once upon a time in Hollywood」も3回観たし(この時点で。その後さらに2回みた)そろそろ積年のウォッチリストに入っていた本作をと。

ストーリーは知っているし、イングロリアス・バスターズやワンハリでオマージュされた対ナチス描写は言葉で頭に入っていたけど、始まってすぐ、フィリップ・ノワレの善良そうなルックに本当に彼が復讐の鬼に?まさかなぁ、と思ってしまう。

☆☆☆☆ネタバレあります☆☆☆☆☆




妻子が殺された。その発見後に描かれる「追想」シーンは、想い出が甘く優しくてそれ自体が凶器となる。見てるこちらの心をえぐる辛さ。
カタルシスなど与えない!とでも言わんばかりの信念がうかがえる。
そして、ロミー・シュナイダーの輝くばかりの美しさよ。見つめずにはいられない。

ラスト、ジュリアンが道の向こうに見る、家族で自転車を走らせる、幸せを絵に描いたような在りし日の映像と優しい音楽…
何を奪われ、何を失ったのか。
ある家族を通じて描かれる戦争と憎悪が引き起こす凄まじい物語にしばし言葉を失った。
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