manami

金の国 水の国のmanamiのレビュー・感想・評価

金の国 水の国(2023年製作の映画)
-
え、おもろ。公開時にはまったくのノーマークだったけど、劇場で観ても納得できたなってくらいの面白さだわ。
いきなり「国で一番美しい娘を嫁に」っていうのでややカチンときて、その後は分かりやすいロミジュリものかと思いきや、ぐんぐん惹きつけられていく。
まずは最初に示された美しさとか賢さとかについて、平たく言えば枕詞として「真の…」がつくような認識に、さらっと変わっていくのが上手いね。「0.1tありそう」とか「私にはこれは渡れない」とかのセリフがあるなら、もっとぷくぷくさせてもいいくらいだけどね。
そしてとにかくキャラクターが良い。メイン二人はとりたてて珍しいタイプではないけれど、それなりに好感が持てる人物像。出色なのはサブキャラ達。サーラの父であるラスタバン3世にも、姉であるレオポルディーネにも、対立するに至る理由がある。ばあや、謎の黒ずくめ女ライララ、ナランバヤルの肝っ玉姉ちゃんウーリーンなど、強い女性達も魅力的。イケメン右大臣に、おかっぱ頭の建築家、マッチョな学者たち、それにナランバヤルのお父さんと、男性陣にもそれぞれの見せ場がある。
そんな素敵な登場人物たちが彩るストーリーはスピーディーな展開でありがら、抑えるところは抑えていて、二人の心情から置いてけぼりにならずにいさせてくれる。
それにしてもサーラは完全に浜辺美波だったけど、ナランバヤルは誰だか全く分からなかった。インスタフォローしてるから公開当時に情報は入ってたはずなのに、思い出しもしなかったよ。すごいな賀来賢人。
水以外はなんでも手に入る金の国アルハミト、貧しいが自然豊かな水の国バイカリ。犬と猫だって仲良くなれるんだから。いがみ合うより「いつでも難しい方の道を選んでください」だよね。
エンドロールもすごく好きだわ。ジブリ感あるっちゃあるけど、それでも好きなものは好き。

32(1742)
manami

manami