「アナ・デ・アルマスは頑張ってるけど、作品としては...」との世評が定着しつつあるネトフリ製作のマリリン・モンロー伝記映画。
と言っても2000年出版の同名小説を原作にしてるらしく、未読だけど自ずとフィクション要素は強めと思しい。
モンロー弱者だし映画弱者でもあるので、ファクト関係は厳密にはジャッジできないんですがね。
とりあえずざっくり感想としては「アナ・デ・アルマスは頑張ってるけど、作品としては...」って冒頭に挙げた世評まんまだったりします。
幼少期から亡くなるまで、36年の生涯を時系列にまるっと網羅してるものの、なーんかその端折り方に軸とかテーマが見えないというか。
事実をベースにしたスキャンダラスな出来事が次々起こる割には、話の語り口自体にメリハリがないんで、どこがクライマックスかも曖昧。特にインパクトなくダラダラ2時間40分の長尺が過ぎていくんだな。
映像ギミック的にはいろいろごちゃごちゃやってるんだけど、それも奏功してるとは言い難い...
アスペクト比やらカラー/モノクロの混在やら当然意図はあるはずながら、少なくともワタシにはちーともわからず。せめて一番目立つカラーとモノクロの切り替えぐらいは意識しながら観ようとしたものの、フィクション/ファクトとかノーマ/マリリンとかまさか気分の明/暗?とか色々考えた結果、どれも手応えなく途中でどうでも良くなっちまいました。
あとまあとにかくずーっと暗いってか辛気臭いっすよね。
ダークサイドに焦点当てるなら当てるで、えげつなさに振り切ればそれなりのアッパー感出たと思うんだけど。
テーマ的にも今モンローやるならありとあらゆる種類の性的搾取、ここを徹底してやるのが定石じゃね?
で、本作のテーマっていまいちよくわからんのよねぇ。
なんか「父性への渇望」みたいなもんが強調されてて、その流れでチャップリンジュニアとのあれやこれやがあるんだけど、3Pのくだり含め、あれ何なん?
よくわからなくても強度があれば伝わるものがあるはずだがその点でも中途半端。
アナ・デ・アルマスがやたら裸体を晒してるのも結構ムダ脱ぎが多く「それってマリリンがされてたのと同じじゃん!」との批判もやむなし。
てな訳で諸々想定内の残念さが目立つ1作でしたわ。