「白人にはこの痛みは耐えられない、黒人には耐えられる」

昔々、黒人に対する人体実験で放った医師のセリフが恐ろしすぎた。


黒人の妊婦が医療制度の恩恵を受けられず亡くなっている…。
この不均衡な状況に、声を上げる人々を追ったドキュメンタリー。


病院側は認めていないが、白人の妊婦の４倍もの数、黒人の妊婦が亡くなっている。
果たして偶然なのか…


帝王切開術後の痛みを訴えても、「皆そうだ」「問題ない」等の言葉で片付けられて、結果感染症になって亡くなるといったケースがあるのだとか。


最愛の人と一番大事な時間を過ごせない男達が切ない。

同じ人間なら同じ支援が受けられる社会になって下さい。

記録

サンダンス受賞作品なのですね
お勧めされて鑑賞

新しい命の誕生でさえ差別の影響を受けてしまうのですね
赤ちゃんは生まれる前から差別されるという酷いことが現実世界で起きている

メモ
陣痛の管理など自然分娩の方がより支援を受けづらい
帝王切開よりコストも5割増し
分娩にかかる時間が長いほどコストがかかり黒人は帝王切開を勧められる
帝王切開は感染リスクもあるし大きな手術であることは変わりなく肺塞栓のリスクもある
そういった術後合併症のリスクがあるのに予防のためのケアもおざなりにされてしまうから黒人の死亡率は高くなるのでしょうね

明らかに有色人種というだけで対応が違い、それは過去から続いていることがよくわかりました
白人には耐えられない痛みでも黒人なら大丈夫とか、奴隷を増やすための生産マシーンだったためその価値を高めるための治療をされたとか、そういった歴史的背景が根強く残っていて、白人の遺伝子の中に組み込まれているように引き継がれているのかなと思いました

助産師の歴史についてもかなり勉強になりました
弟子入りして修行を積む職業でなく教科書から学ぶ時代となり、黒人助産師は不潔で違法、助産師狩りのようなことまでして、白人の産婦人科医、助産師が誕生していったと…

この作品を見ただけでも経膣分娩はコストや時間、細やかなケアは必要だけど、自然で神秘的な人間らしく素晴らしいものですね
分娩は立ち会ったことがあるけれど、映像で何度見ても感動的でした
安心して赤ちゃんを産めるような助産院を作っていましたが、本当に人間の権利として誰もなら安心して平等に医療を受けられ出産できるようになって欲しいと思いました

そしてまだなくならない差別による妊婦の死亡があっても、被害者たちが支え合い癒される場所や闘えるようなコミュニティを作っていった残された家族たちの行動にも勇気をもらえました
悲しみの中行動を続けたことで法改正に繋がり、次の被害を出さないために闘っていました

また、横のつながりでみんなが支え合っていて、シャモーニーのご主人が絵を贈るシーンは毎回泣いてしまいました
救えるはずの命が救われるよう祈っています